札幌市から車で1時間ほどの農業の町で、今年で「開町120年」となる北海道・由仁(ゆに)町が、町営住宅跡地を1平方メートルあたり120円で売り始めた。人口約5900人の町は人口減対策が課題となっており、町内に移住し、3年以内に家を建てることを条件に買い手を募っている。
 町によると、町営住宅跡地は住宅街にある町有地で、利用計画がないまま遊休地となっている。1区画あたり約330平方メートルの土地を8区画売り出し、1区画あたりの価格は4万円ほどとなる。現在の実際の取引価格は1平方メートルあたり約6500円で、「町活性化の効果が期待できるかもしれない」(町の担当者)と破格での処分を決めた。
 「長く住んでもらいたい」ことから、町外に住んでいる日本国籍を有する人と永住資格がある外国人が対象。「ポケットマネーで買えるので、別荘として買われないように条件を付けた」と担当者は話す。募集期間は8月末までで、応募者多数の場合は抽選で決める。問い合わせは町総務まちづくり課(0123・83・2112)。

本記事では,大由仁町における跡地利用の取組を紹介.同取組では,「開町120年を記念」し「町外からの定住を促」すことにより,「過疎化の防止と町の活性化を図る」ことを目的として「定住促進宅地」を整備.「生活インフラ」は,「生活道路,水道,下水道」のいずれも「完備」,とのこと.そして,その価格は,120周年ということであろうか.「1㎡当たり120円」*1と設定.
応募条件は「町外に居住中」で「定住を目的」に「住宅を建設するために宅地を必要」とされている「日本国籍」または「永住の資格のある外国人住民」であり,「土地売買予約契約締結後」「2年以内に住宅建築業者と請負契約を締結」し「3年以内に住宅の建築を完了して居住する人」.そして,同「町内に住宅を建築することが可能な土地を所有していない」,「市町村税」の「滞納」がなく「暴力団等,反社会的な組織に加入していない」,「20歳以上60歳未満の人,となる.
そして,応募者への分譲は「当初は土地売買予約契約」となり,「2年以内に住宅の建築工事に着手することが確認できた時点で本契約」.その後に,「宅地を引き渡し」*2となる.低廉な価格設定という「インセンティブ」とともに,「建築工事」の「着手」後での「本契約」とするこで,定住の「可視性」*3を高めることにもなる,同取組.今後の応募状況も要確認.

*1:由仁町HP(由仁町への移住者募集! 宅地を宅地を1㎡120円で販売します)「由仁町開町120 年記念定住促進宅地募集概要」1頁

*2:前掲注1・由仁町由仁町開町120 年記念定住促進宅地募集概要)1頁

*3:ダニエル・P・アルドリッチ『誰が負を引きうけるのか』(世界思想社,2012)81頁

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