杵築速見消防組合(管理者・八坂恭介杵築市長)の職員採用をめぐる口利き事件を受け、採用試験制度の在り方を見直している同組合と杵築市の職員採用選考試験制度検討委員会は1日、取材に対し、市長の裁量で受験者の得点に加点できる特別採点枠を撤廃する方針を明らかにした。組合と市はこの日、本年度の採用試験を公告した。
 両検討委は5月に初会合を開き、組合が4回、市が5回の会合を重ねてきた。これまでの協議で見直しを決めたのは、得点配分の事前公表や集団討論、集団面接の導入など。両検討委は結論を出す秋までに制度改正を議論し、特別採点枠も見直す方針という。組合は両検討委とは別に、口利き事件の調査を担当する調査委員会の設置を急いでいる。

本記事では,杵築市における職員採用に関する検討結果を紹介.
同市では,2012年4月26日に,「副市長」が委員長となり「教育長」「総務課長」「財政 課長」 「市長政策課長 「教育総務課長」から構成される「検討委員会」を設置.同委員会は,同年7月19日までに5回が開催され,「採用試験の問題点と改善策」を検討し,同年8月1日に「市議会議長へ報告したので内容を公開」*1されている.
同報告を拝読させて頂くと,「受験者の募集及び1次試験の実施時期」は,「来年度以降は」「若干早めて実施できるよう担当課で検討」するものの,本年度は「受験者のことも考慮し」,「これまでと同じ8月に公告」を行い,「10月に1次試験」*2すると現行通りであることを報告.変更点としては,まずは「受験資格」と「試験内容」で行われており,「 受験資格の上限年齢現行25歳」から「27歳に引き上げ」を行うこと,そして,「1次試験」では「教養試験,専門職は専門試験」を「2次試験」は「作文試験に加え」「受験者の多面的選考を目的」とした「事務適性試験」と「集団面接試験」を新たに実施.「3次試験は個別面接試験」が実施される.更に,加えて「各試験の配点」を「職員募集要領」や「ホームページ上で」「各試験の配点を事前に受験者へ公表」することや,「試験結果」も「受験者本人からの開示請求」に対しては,「各試験の不合格者を対象に受験した時点までの得点合計と総合順位」を「開示すること」*3とされている.
また,本記事では,「at will」*4の運用への懸念への回避を考慮されてか,「市長の裁量で受験者の得点に加点できる特別採点枠を撤廃する方針」であることも紹介.ただし,本報告内では同枠の廃止に関しては明記されていない模様.「取材に対し」ての報告の説明のなかでの方針提示なのだろうか.要確認.

*1:杵築市HP(市からのお知らせ)「【市議会からの申入】検討内容を報告しました。(職員採用試験関係)」(総務第714号,平成24年7月26日)2頁

*2:杵築市HP(市からのお知らせ【市議会からの申入】検討内容を報告しました。(職員採用試験関係))「議会からの申入れ事項に対する報告について」(総務第714号,平成24年7月26日)2頁

*3:前掲注3・杵築市(議会からの申入れ事項に対する報告について)3頁

*4:Kettl,Donald F. (2011).The Politics of the Administrative Process Fifth Edition,CQ Press:285.

Politics of the Administrative Process

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