福島市に避難する浪江町民や市民が利用できる図書館「浪江in福島ライブラリーきぼう」の開所式は3日、同市笹谷の同図書館で行われた。全国から寄せられた義援金で建設され、絵本や図書約3000冊を収蔵。笹谷東仮設住宅近くの市有地にあり、避難者や市民の交流の場となることも期待されている。
 木造平屋約70平方メートルの広さで、温かみのある造りになっている。 東京都の物流会社アントレックスが全国からの義援金を活用して建て、町に寄贈した。町が雇用した町民が管理する。当面午前10時に開館する。利用時間や貸し出し方法などは今後検討する。 名称を公募し、同町の志賀千鶴さんが提案した「きぼう」を採用した。 式には馬場有町長と同社の艫居(ともい)隆三社長らが出席。テープカットした後、視察した。艫居社長は「避難者だけでなく地域の人にとっても心の支えになればうれしい」とあいさつ。馬場町長は「子どもが多い仮設住宅に建設した。多くの善意を基に建てられた。交流、情報発信の場にしていきたい」と期待した。

本記事では,浪江町における図書館開設を紹介.現在のところ,同町HPでは詳細は確認できず.
同館の寄贈をプロジェクトされた同社HPを拝見させて頂くと,福島市から「避難仮設住宅に近接」された「土地」の「提供」を受け,「21坪」の「仮設のミニ図書館」を建設.同「町民の方々」「仮設住宅地に隣接する地域の方々にとって憩いの場」,「交流,情報発信の場として大いに活用」*1されることが目的,という.なるほど,図書館とは「貸出しサービスばかりを重視する考え方」*2に捕われることない,むしろ「場」*3としての図書館の開設ともいえそう.是非訪れてみたい.

*1:株式会社アントレックスHP「福島市笹谷- 浪江町ミニ図書館( 仮称) 寄贈プロジェクト趣意書」

*2:根本彰『理想の図書館とは何か』(ミネルヴァ書房,2011年)153頁

理想の図書館とは何か: 知の公共性をめぐって

理想の図書館とは何か: 知の公共性をめぐって

*3:前掲注2・根本彰2011年:60頁