名古屋市は今年度から、身体障害者の職員採用について、受験者の年齢上限を35歳から45歳に拡大し、採用人数を5人程度から18人程度に増員する。政令市では広島市の上限59歳に次ぐ緩和措置で、市人事委員会は「幅広い年齢層の障害者に門戸を広げたい」と話している。
 市によると、市役所などの市施設で行政事務に従事する15人と、市教委所管の小・中・特別支援学校で事務を担当する3人を募集する。学校の事務職に障害者を正職員として採用するのは初めてだという。条件緩和の背景には、障害者の法定雇用率が従来の2・1%から来年4月に2・3%に拡大することがある。市の雇用率は2・23%(昨年度)で、市は「努力義務だが、政令市としていち早く対応する必要があった」と説明している。受験は、インターネットか郵送で申し込む。募集期間はインターネットが来月12日まで、郵送は同14日の消印有効。10月に筆記、面接試験を実施する。問い合わせは、市人事委員会(052・972・4182)。【三木幸治】

本記事では,名古屋市における身体に障碍をもつ方の職員採用の取組を紹介.
2012年度の「職員採用選考試験案内」を拝見させて頂くと,「小・中学校又は特別支援学校」を「除く」,「本庁各局や区役所等,市のあらゆる機関における行政事務全般に従事」をされる「行政一般」職の応募資格は,まずは,「身体障害者手帳の交付を受けている方」であること,二つめは「活字印刷文又は点字による出題に対応できる方」であること,三つめは「自力で通勤が可能であり」「介護者なしで通常の業務を遂行し,通常の勤務時間(日あたり7時間45分,週あたり 38時間45分)に対応できる方」であること,そして,本記事で紹介されているように,その年齢は「昭和42年(西暦1967年)4月2日から平成7年(西暦1995年)4月1日までに生まれた方」*1とあり,17歳から45歳までの年齢区分とされている.これは,2011年度の応募資格では「昭和51年4月2日から平成6年4月1日までに生まれた方」*2と上限年齢が35歳であったことに比べると,10歳を上昇されている.なるほど.
しばしば,「慣習や規範は「ふつう」の人を基準として作られている」*3と解される.職場もまた「「ふつう」の人を基準に作られている」とすれば,その障碍の有無にも関わらずもちろん「通常の業務を遂行」されるとはいえ,執務環境側の「多様化」*4も図られているのだろうか.こちらについては,要確認.

*1:名古屋市HP(市政情報職員採用情報名古屋市職員採用案内身体障害者を対象とした採用選考)「平成24年度身体障害者を対象とした名古屋市職員採用選考試験案内」(平成24年8月24日,名古屋市人事委員会)1頁

*2:名古屋市HP(市政情報職員採用情報名古屋市職員採用案内身体障害者を対象とした採用選考)「平成23年度身体障害者を対象とした名古屋市職員採用選考試験案内」(平成24年8月24日,名古屋市人事委員会)1頁

*3:松井彰彦, 川島聡, 長瀬修『障害を問い直す』(東洋経済新報社,2011年)23頁

障害を問い直す

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*4:安藤史江『コア・テキスト 人的資源管理』(新世社,2008年)212頁

コア・テキスト 人的資源管理 (ライブラリ経営学コア・テキスト)

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