鹿児島県選挙管理委員会は8日、県の上海研修派遣事業などに反対し、伊藤祐一郎知事の解職請求(リコール)に向けた市民団体の署名活動を告示、団体は署名集めを始めた。県は同日、市民団体の主張に反論し、上海派遣などの正当性を訴える内容を県のホームページ(HP)に掲載した。県によると、伊藤知事の指示という。市民団体は「県のHPを知事が個人的に使っている」と批判。一方、識者からは「県政批判への反論で、理解できなくもない」との声も出ている。
 県のHPは「最近話題の県政施策(解職請求関連)について説明します」と記され、市民団体がリコールを求める理由に挙げる県の5政策を掲載。上海派遣については「官民が一体となって危機的な状況に対応する取り組みとして、評価していただいている」と説明した。県政策調整課は「主張や反論ではなく、政策の現状説明」とした。
 鹿児島大の平井一臣教授(政治学)は「公私混同の面はあるが、市民団体の主張は県政全体への批判で、県のHPでの反論は理解できなくもない」と話している。

本記事では,鹿児島県における広報の取組を紹介.同取組は,同県HPを参照*1
同県では「平成25年10月8日〜平成25年12月8日」の期間で,「選挙の行われない区域」では「鹿児島県知事の解職請求に係る署名収集期間」が開始.「選挙の行われる区域」*2となる13市町村では,現在の確定段階,最長では枕崎市は2月2日までが署名収集期間となる.同県では,2013年10月8日付けで,「「県政施策(解職請求関連)について説明」を開始.説明されている事項は,「上海-鹿児島線」「総合的かつ多目的で集客力の高い施設(スーパーアリーナ)の整備」「県立楠隼中学校・高等学校(中高一貫教育校)」「松陽台町の県営住宅整備」「公共関与による産業廃棄物管理型最終処分場」の5項目.各項目ともに,概ね,施策の背景,現状,今後を叙述.さまざまな「当事者の視点」*3にも応えようとされるためか,幅広く項目が解説されている.なるほど.今後の署名収集状況も,要経過観察.

*1:鹿児島県HP(県政情報県庁案内県の組織と業務知事公室政策調整課)「最近話題の県政施策(解職請求関連)について説明します

*2:鹿児島県HP(県政情報選挙情報県知事解職請求鹿児島県知事の解職請求)「鹿児島県知事の解職請求に係る署名収集期間

*3:片山善博「広報・広聴のミッションを考える」『都市問題』第104巻第8号,2013年8月号,57頁

都市問題 2013年 08月号 [雑誌]

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