秋田市は今冬に備え、市民が雪を捨てる場所の確保に乗り出した。住宅地の空き地所有者に、無償で町内会に貸すよう協力を呼び掛け、貸した場合は固定資産税を減免する。雪捨て場の提供に対して減免するのは県内市町村で初めて。併せて市内約660カ所の公園をシーズン当初から雪捨て場として開放し、除排雪しやすい環境を整える。
 市が求めているのは、おおむね200平方メートル以上の空き地。固定資産税の減免を受けるには所有者と町内会が貸借契約を結ぶ必要がある。今月上旬から市の広報紙やホームページで減免措置を周知したところ、問い合わせが十数件寄せられている。貸与期間は基本的に12〜3月の4カ月間。翌年度の固定資産税のうち、貸与期間分を免除する。市の試算では、八橋本町の空き地(宅地)200平方メートルを4カ月間貸した場合、年額9万円程度の固定資産税の3分の1に当たる約3万円が免除される(税額は土地の形状や道路幅などで異なる)。
 雪捨て場の提供に対する固定資産税の減免措置は、他県では青森市が2001年度、盛岡市が05年度に導入している。昨年度の実績は青森市が160町内463カ所、盛岡市は6町内8カ所だった。

本記事では,秋田市における「小規模堆雪場事業」の取組を紹介.同取組は,同市HPを参照*1
同事業の要件は,「町内会・自治会の範囲に属する又は隣接する概ね200㎡(約60坪)以上の土地」であること,「町内会・自治会と土地所有者が書面により使用貸借契約を締結し使用すること」,そして,「貸付期間が12月から翌年3月末日までの期間を含むこと」*2.の3項目.
より具体的には「1街区の面積の概ね1/2未満であること」や「1街区につき2箇所以下であること」,「農地の場合は1,000㎡未満であること」,「すでに解放している街区公園,児童遊園地や堆雪可能な町内会館敷地が隣接,道路」「向かいにないこと」,「高低差が著しいなど利用に適さない土地でないこと」,そして,「その他,明らかに利用に適さない土地でないこと」*3となる.
「賃料」は「無償」となり,「事業に利用した土地」は「翌年度の固定資産税」が「利用月数に応じて減免」される「支出回避」による「ポジティブ・インセンティブ*4の同取組.例えば,「4か月利用」した場合「4か月/12か月=1/3減免」*5となる.
ただし,「地域住民用堆雪場」は「町内会等」が「自らの責任に基づき管理し,および運営する」*6こともあり,手続では「町内会等と土地所有者で相談」*7が必要とされる.申請状況は,要確認.

*1:秋田市HP(組織案内建設部道路維持課秋田市の道路除排雪について)「地域住民用小規模堆雪場事業

*2:前掲注1・秋田市(地域住民用小規模堆雪場事業)

*3:前掲注1・秋田市(地域住民用小規模堆雪場事業)

*4:北村喜宣『環境法第2版』(弘文堂,2013年)155頁

環境法 第2版

環境法 第2版

*5:前掲注1・秋田市(地域住民用小規模堆雪場事業)

*6:秋田市HP(組織案内建設部道路維持課秋田市の道路除排雪について地域住民用小規模堆雪場事業)「秋田市地域住民用小規模堆雪場事業実施要綱」(平成25年9月30日,市長決裁)第9条

*7:前掲注1・秋田市(地域住民用小規模堆雪場事業)