東京都は25日、都内世帯数の長期予測を発表した。世帯数は2030年にピークを迎える見通し。都は人口の頭打ちが20年と予測しているが、その後も世帯の細分化が進む。高齢化で配偶者との死別による一人暮らしが増え、結婚に踏み切らない層も多くなるために、単独世帯は35年までに全体の半数近くに及ぶ。
 都は国勢調査をもとに世帯数の長期予測を5年に1度発表しており、今回は10年の国勢調査を前提に予測した。総世帯数は30年に685万6千に達すると予測しており、10年より約50万世帯増える。その多くは単独世帯の増加によるもので、中でも65歳以上の一人暮らしは30年に96万3千世帯と10年より30万世帯以上増える。若年層でも晩婚化が進み、単独世帯は30年に全体の47.2%に及ぶという。
 総世帯数が減少に転じた後も単独世帯は増加し続ける見通し。都内でも特に単独世帯の増加が見込まれる区部では35年に単独世帯の比率が50.2%と初めて半数を超えるとみられる。5年前の前回予測では世帯数のピークも20年としていた。前提とする国勢調査で05年から10年までの5年間に都内で急速に単独世帯が増えたトレンドを踏まえ、世帯のほぼ半数が一人暮らしになる将来の東京の姿を予測した。

本記事では,東京都における「世帯数の予測」結果を紹介.同予測の概要は同都HPを参照*1
総人口は2020年に「1338万人」で「ピークを迎えた後」も,世帯数は「夫婦のみの世帯数などの増加」等で2030年の「685.6万世帯まで増加」*2
ただし「1世帯当たり人員」では2015年には1.98人となりその後「2人を下回って推移」し,2035年には「1.85人」*3と予測される.「区部」と「多摩・島しょ」では,区部は2010年に既に1.95人とあり,2035年には1.79人となる.一方,多摩・島しょ部は2035年段階でも2.01人が見込まれる.なお,2010年段階でも2.0人以上の区が葛飾区,江戸川区,足立区,荒川区墨田区江東区練馬区の7区,これが2035年では葛飾区,江戸川区の2区となる.また「多摩・島しょ」でも武蔵野市は2010年段階で「2.0人未満」*4にある.
「成長国の中心」*5と解されたこともある東京も高齢小世帯化へと移行する傾向が窺える同予測.来年度の1年生向けの基礎ゼミで読み深めてみたい.

*1:東京都HP(各局のページ総務局東京の統計東京都世帯数の予測東京都世帯数の予測 −概要− 平成26年3月)「予測結果の概要

*2:前掲注1・東京都(予測結果の概要)1頁

*3:前掲注1・東京都(予測結果の概要)2頁

*4:前掲注1・東京都(予測結果の概要)3頁

*5:エドワード・グレイザー『都市は人類最高の発明である』(NTT出版,2012年)298頁

都市は人類最高の発明である

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