東京都の舛添要一知事は27日の定例記者会見で、都市外交を強化するため7月にも都庁組織を改革する考えを明らかにした。外交を管轄する「儀典長」というポストを「外務長」「外交局長」など役割を明確にする方向で改称。さらに外務省とも連携して都庁の外交部門を拡充する。
 都の儀典長は局長級の幹部で、外務省から人材を招いている。もともと「外務長」という名称だったが、2003年に当時の石原慎太郎知事が変更した経緯がある。舛添知事は4月に都知事として18年ぶりに公式の招待で北京を訪問。7月にはソウルを訪れる予定だ。「五輪を控えて、都市外交を全力でやらないといけない」と話している。

本記事では,東京都における組織再編の方針を紹介.同方針は,2014年6月27日付の同都知事定例記者会見を参照*1
「都市外交に関する事務につき、知事を補佐する」(東京都組織規程第9条第3項)ため,「知事本局に」置かれている「儀典長」(東京都組織規程第9条第3項)*2
「元都知事」が「外交なんかする必要はない」として「外交部長とか外務長とかいう名前」を「そんなもの儀典さえやっておけば良いという」考えから,「プロトコール」を担う「儀典長に変わったという」経緯の説明後,現都知事は「都市外交はそんなものではなくて,もっと本格的にやるべきだと」考えが提示.そこで,「儀典長という名前」を「もう名は体をあらわすわけ」として,「外務長とか外交局長とか」「そういうものに変えていく」*3方針が示された同会見.
一方で,「要するに東京都に入庁する」「方が外交をやろうと思って入ってはきていない」現実からも,「彼らにとって外交のエキスパートとしてやれというのは.ちょっと要求は酷」との現状から「これは外交のプロである外務省から人材をいただくという形」で「外務省の力も借りながら」「本当の外交のプロを入れながらきちんと都市外交ができるように」「今それは外務省と緊密に連携をとりながら」「人材の派遣を要請」*4,「何らかの国政との連結」*5は持続される模様.
名称変更される同職が.どのように「対話と交渉」*6を進めるか,要観察.

*1:東京都HP(知事の部屋舛添知事記者会見)「舛添知事定例記者会見平成26年6月27日(金曜)

*2:東京都HP(条例・規則集東京都例規集データベース)「東京都組織規程」(昭和27年11月01日 規則第164号)

*3:前掲注1・東京都(舛添知事定例記者会見平成26年6月27日(金曜))

*4:前掲注1・東京都(舛添知事定例記者会見平成26年6月27日(金曜))

*5:金井利之「東京都性論 ―あるいは人間不在の都政」飯尾潤,苅部直,牧原出編著『政治を生きる 歴史と現代の透視図 (中公叢書)』(中央公論新社,2012年)144頁

政治を生きる――歴史と現代の透視図 (中公叢書)

政治を生きる――歴史と現代の透視図 (中公叢書)

*6:細谷雄一『国際秩序』(中央公論新社,2012年)67頁