京都市は16日、看板類の色や大きさを規制する市屋外広告物条例に違反した伏見区のラブホテルの看板を強制撤去する行政代執行を30日〜8月1日に実施すると発表した。同条例違反による行政代執行は市では初めて。
 市の担当者が16日、ホテルを経営する上出観光(同区)を訪れ、代表者に代執行令書を手渡した。市によると、同社は市に無許可のまま、市内全域で禁止されている屋上広告や基準を超えた巨大な看板を取り付けた。市は昨年8月から事業者に是正指導を始め、改善するよう勧告、命令した。同社は先月末、7月9日の撤去期限までに除去するとの上申書を提出したが、期限を過ぎても是正されなかったため、市は代執行の手続きを進めた。撤去にかかる見積額は約320万円。撤去後、市が同社に費用を請求する。同社は「明日から撤去を始める予定」と話している。

本記事では,京都市における屋外広告物規制の実施状況を紹介.同取組の詳細は,同市HPを参照*1
同取組の経緯は,次の通り.同市の「京都市屋外広告物等に関する条例」「当該許可を受けずに屋外広告物を表示」された「違反者」に対して,2013年「5月7日」に「屋外広告物適正化推進室職員による現地調査」を実施し「違反屋外広告物の掲出を確認」した.その後,同年「5月31日」には「違反者」に「指導のため来庁を促す通知を送付」,同年「8月20日」に「是正計画の提出を催告する通知を送付」する.同年「8月22日」に「屋外広告物適正化推進室窓口」で「是正指導を行」い,「この後も度重なる窓口指導」*2を実施.
同年「10月17日」には「違反者に是正勧告書」を「送付」,2014年「4月21日」には「違反者」へ「弁明の機会の付与について」を「送付」して後,同年「5月16日付け」で同「条例第39条第1項」に基づき.同年「6月16日までに当該屋外広告物を除却」するよう命令した.その後,「被処分者が当該処分に従わなかったため」,同「条例第42条」に基づき「その旨を公表」し,同年「6月25日付け」で「行政代執行手続である戒告」*3している.
本記事では,その後,同「7月9日の撤去期限までに除去する」との「上申書」が「提出」されたものの,同「期限を過ぎても是正さなかった」ことから,同市では同年7月「30日〜8月1日」に「行政代執行」の実施方針を提示したことを報道.上記の経緯からは1年間で,是正指導をはじめとする「誘導」を実施後に,行政代執行という「強制手法」*4を提示したことが観察できる.また,本記事の後段では,同「違反者」が「撤去を始める」意向を提示されたとも報道されており,結果的には強制手法による「誘導」*5となる模様.除去の結果は,要確認.

*1:京都市HP(まちづくり景観広報資料・お知らせ)「京都市屋外広告物等に関する条例に違反している者の公表について

*2:前掲注1・京都市京都市屋外広告物等に関する条例に違反している者の公表について)

*3:前掲注1・京都市京都市屋外広告物等に関する条例に違反している者の公表について)

*4:北村喜宣『環境法第2版』(弘文堂,2013年)112頁

環境法 第2版

環境法 第2版

*5:前掲注4・北村喜宣2013年:113頁