大阪市が庁舎内の職員労働組合の事務所使用を認めず労組を退去させるなどした問題で、8労組が橋下徹市長らによる不許可処分の取り消しを求めた訴訟の判決が10日、大阪地裁であった。中垣内健治裁判長は「処分は職員の団結権を侵害しており、市の裁量権を逸脱した」と指摘。市の処分を取り消し、計約400万円の損害賠償を支払うよう命じた。
 訴えていたのは、自治労系の市労働組合連合会など6労組と、自治労連系の市役所労働組合など2労組。判決などによると、8労組は地下1階の6室計約750平方メートルをそれぞれ事務所として使用していたが、市は2012年1月に「新たな事務スペースが必要」として退去を要請。反発した労組側が団体交渉を求めたが応じず、同2月に使用不許可を決めた。自治労系6労組は2012年3月までに立ち退いたが、自治労連系2労組は残っている。市は事務所を残す2労組に退去を求める訴えを起こしていたが、この日の判決で退けられた。
 大阪市の村上栄一総務局長は「主張が認められず残念に思う。判決を精査したうえで、対応を検討する」とコメントした。(阿部峻介)

本記事では,大阪市における庁舎の目的外使用許可に関する地裁判決を紹介.
2012年1月30日に同「市が市労連ら」へ2011年度末までの「退去」及び2012年度の「事務室の許可を行わない旨を通知」したところ,同年2月13日 に同「市労連」が同市へ「事務室の退去に関して団体交渉の申入れ」,同年2月13日には同「市労連ら」が同市に2014年度の「事務室使用許可申請」をするものの,同年2月20日には同市が同「市労連に対して団体交渉を行わない旨を通知」のうえ,同市は同「市労連ら」へ2014年度の「事務室使用不許可処分」*1とする.同処分に対して大阪府労働委員会では2014年2月20日に「不当労働行為に該当」*2との判断が示されている.
本記事では,同処分への取り消しを求める訴訟の判決を紹介.大阪地裁では,いわゆる「行政財産の目的外使用の不許可処分」への「裁量権の逸脱」*3との考えを示された模様.内容は公開後,要確認.