長崎県小値賀(おぢか)町議会(定数10)は11日の本会議で、月額18万円の議員報酬を50歳以下に限り30万円に引き上げる条例案を全会一致で可決した。若年層の人口流出阻止や政治参加が狙いで、4月の統一地方選の当選者から適用する。総務省は「年齢で報酬額を分けるのは異例」としている。
 同町は、五島列島北部の大小17の離島からなり、人口2665人(2月末現在)。65歳以上の人口が総人口に占める高齢化率は45・1%(同)。現在の町議10人の平均年齢は65・3歳で、57歳の最年少議員のほかは、いずれも60〜70代。町選挙管理委員会によると、2003年と07年には50歳以下の候補者各2人が立候補したが、前回の11年はゼロだった。政府が進める地方創生の戦略づくりを見据え、立石隆教議長(63)が「今後のまちづくりを考えるには若手の視点が不可欠だ」と議論を呼びかけ、3日に設置された「地方創生まちづくり特別委員会」で条例案を審議。議員発議で提出・可決された。地方自治法は地方議会の議員報酬額や支給方法は自治体が条例で定めると規定。立石議長は「政治に関心を持ってもらうためにさまざまな議会改革に取り組んできたが、子育て世代の若手の立候補を促すには現実的な生活費の手当てが必要だ」と話す。一方、全国町村議会議長会は「想定外のケースで調査したこともない。選挙で選ばれた議員は平等という観点からみれば、法的問題について検証が必要ではないか」としている。

本記事では,小値賀町における議員報酬の取組を紹介.
同町では,現在,「議員」は「月額180,000円」,「議長」は「月額255,000円」,「副議長」は「月額198,000円」,「常任委員長」は「月額184,000円」,「議会運営委員長」は「月額184,000円」*1が支給.2015年「4月に迫っている統一地方選挙に若々の町議会員選挙への立候補を促さなければらいと」の「考え」から,「躊躇せる要因」として「子育て世代に対し家族を養うことのできる収入の確保問題が決断を鈍らせているケースも少なくない」と捉え,2015年3月11日に提出された「地方創生の推進のための小値賀町議会員報酬及び費用弁償等に関する条例(案)」では,「議会員うち年齢満50年以下の者議員報酬」は「月額30万円とする」*2案が提出.上記の議員報酬額と比べると,議員からは12万円増,議長等からは5〜約10万円増となる.本記事では,同条例「全会一致で可決」されたことが紹介.
年代による議員報酬額を異にするという「外発的な工夫」*3を採用した同町.来年度の同議会選挙への立候補者の年齢は,要確認.

*1:小値賀町HP(小値賀町例規集)「小値賀町議会議員の報酬及び費用弁償等に関する条例」(昭和31年10月1日条例第6号)

*2:小値賀町HP(小値賀町議会)「地方創生の推進のための小値賀町議会員報酬及び費用弁償等に関する条例(案)

*3:田尾雅夫『公共マネジメント -組織論で読み解く地方公務員 (有斐閣ブックス)』(有斐閣,2015年)58頁

公共マネジメント--組織論で読み解く地方公務員 (有斐閣ブックス)

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