■2年目は80万人
 武雄市は、レンタル大手TSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に運営委託している市図書館の2014年度利用状況をまとめた。来館者は80万人で前年より12万人減り、全国的な話題になった開館初年度から少し落ち着いた。貸出利用者、貸出冊数も減少したが、民間委託前と比べると高い数字を維持した。
 昨年度の来館者は80万736人。前年度より12万2300人少なかった。貸出利用者は15万3545人で前年度比1万4354人減、貸出冊数は48万153冊で6万5171冊減った。民間委託前で年間比較できる11年度の実績と比べ、来館者は3・13倍、貸出利用者は1・86倍、貸出冊数は1・41倍になる。
 民間委託後に開館時間を延長した夜の時間帯(午後6〜9時)の貸出冊数は全体の24・0%、朝(午前9〜10時)は5・8%。開館延長は定着しているようだ。貸出利用者の居住地の内訳は市内が54・8%、市外が32・1%、県外が13・1%。利用登録時のカード選択は、ポイントがたまるTカードが92・7%、図書館利用カードが7・3%で、居住地、カード選択とも前年とほぼ同じ比率だった。
 武雄市教委文化・学習課は「ブームが過ぎ、来館者が減るとは思っていた。ただ、80万人を超え、リニューアル前の3倍超という数字は、多くの人に利用してもらっていることを実感する」と話す。「篆刻(てんこく)や英会話の講座、赤ちゃんおはなし会や講演会など企画が増え、スタッフサービスの満足度も13年度の69%から78%にアップした」と背景を分析した。課題として1万4千人余りとなっている市民の利用登録者数を増やすことを挙げた。

本記事では,武雄市における図書館への来館者数を紹介.
2014年4月1日付の同紙では,同館の新装開館後の2014年3月までの来館者数は「92万3036人」*1と紹介.2年目となる「2014年度」の利用者数は,本記事によると「80万736人」であった模様.総じて,「利用者層も幅広い」*2図書館.同館利用者の属性も変化も把握できると興味深そう.
他方で,1年目となる上記記事の段階では,「指定管理料は年間1億1千万円」で「決算は赤字の見通し」が示されている.今後の決算状況も要確認.

*1:佐賀新聞(2014年4月1日付)「来館者3.6倍 武雄市図書館民間委託1年

*2:松本茂章『日本の文化施設を歩く』(水曜社,2015年)265頁

日本の文化施設を歩く 官民協働のまちづくり (文化とまちづくり叢書)

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