宮城県名取市は、工事情報や乳幼児のおむつ替えができる施設の場所を記載した地図をインターネットで公開した。市民が市役所に電話したり、足を運んだりしなくても、必要な情報にすぐアクセスできる。ネット地図を使った工事情報の提供は県内市町村で初めてという。
 「なとりマップ 名取市地図情報提供サービス」は3日、運用を始めた。工事情報のほか、公共施設や観光施設、医療機関の場所が表示される。市のホームページからアクセスできる。
 東日本大震災で被災した市内沿岸部では復旧復興事業が行われており、内陸部も含めて多くの工事箇所がある。地図は工事箇所を示し、クリックすると工事名称が浮かぶ。さらにクリックすると詳細な事業内容や工期が表示され、通行止め期間や利用開始時期を知ることができる。
 市は仙台市に隣接し多くの転勤族が住むが、おむつ替えのできる場所を知らない子育て世代もいる。ベビーカーで散歩中にも、スマートフォンで現在地を入力すれば最寄りの交換場所が分かり、経路や到達時間が把握できる仕組みだ。
 市には工事情報をはじめとした問い合わせが多数寄せられているが、担当課が分からず、たらい回し状態になることもあった。市は心理的負担から問い合わせをためらう市民もいると考え、ネット上の地図でなるべく多くの情報を出すことにした。
 山田司郎市長は「住民サービスの向上を図る事業。多くの方に広く利用してもらいたい」と話す。

本記事では,名取市における地図情報提供の取組を紹介.
同市では,2017年4月3日より,「インターネット上の電子地図に」「市内各施設等の場所や情報を掲載」し「案内」*1する取組を開始.掲載される情報は「土木課」「都市計画課」「下水道課」「水道事業所」「農林水産課」「復興まちづくり課」「復興区画整理課」「増田復興再開発推進室」が担当となる「工事情報」,「土木課」の「道路網図」 ,「防災安全課」の「防災安全情報」,「こども支援課」の「保育・子育て施設」, 「こども支援課」の「赤ちゃんの駅」,「保健センター」の「病院・診療所」*2の各情報となる.「利用規約」によると同情報は「各種地図情報の概要をお知らせ」するものとなり,「内容を証明するものでは」なく,「地図の精度上及びデータの作成上の誤差を含」むことから「概略位置を示した参考図として」の「利用」*3を求めらている.また「情報別に作成時期や入力時期が異なる」ため「現状と相違がある場合があ」*4ることも予め同規約で示されている.
従前の各部署毎の地図情報提供から課間での「可視化・共有化」*5された情報提供となる同取組.同情報の利用状況は,要観察.

*1:名取市HP(組織別インデックス総務部市政情報課)「名取市地図情報提供サービス‐なとりマップ‐を開始しました。

*2:名取市HP(組織別インデックス総務部市政情報課)「名取市地図情報提供サービス‐なとりマップ‐ 利用規約

*3:前掲注2・名取市名取市地図情報提供サービス‐なとりマップ‐ 利用規約

*4:前掲注2・名取市名取市地図情報提供サービス‐なとりマップ‐ 利用規約

*5:岩粼忠『自治体経営の新展開』(一藝社,2017年)85頁

自治体経営の新展開

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