85年の歴史を持つ大阪市営地下鉄が1日、民営化され、新会社「大阪市高速電気軌道」(大阪メトロ)としてスタートした。公営地下鉄の民営化は全国初。市交通局から事業を引き継いだ新会社の社長にはパナソニック元専務の河井英明氏(63)が就任した。
 市中心部の梅田駅では1日未明、駅出入り口の看板などのロゴマークが、青を基調にメトロの「M」の文字を白色で描いた新しいロゴに交換された。同日午前には、同駅で新ロゴを披露する式典が行われた。
 その後、大阪市内で開かれた開業記念セレモニーであいさつした河井氏は「最高の安全、安心を追求する。大阪から元気をつくり続ける」と抱負を語った。大阪市の吉村洋文市長も出席し、「関西ナンバーワンの民間鉄道を目指してもらいたい」と期待を示した。
 新会社は今後、駅構内に商業施設を整備する「駅ナカ」事業の拡大やホテル事業への進出など鉄道以外の事業展開に力を入れる。河井氏は「地下空間価値の最大化を目指す」戦略も掲げる。
 市営地下鉄の民営化は、橋下徹大阪市長が取り組んだが、在任中は実現できなかった。後継の吉村氏が新会社の株式を市が100%保有することなどで議会の賛成を取り付け、実現に至った。
 同日には、市営バス事業も民営化され、大阪メトロの子会社となった。(2018/04/01-16:04)

本記事では、大阪市における民営化の取組を紹介。
2017年3月24日付の本備忘録でも記録した同市による同取組。2016年8月に策定された『市政改革プラン2.0(平成28~31年度)― 新たな価値を生み出す改革 ―』に基づき「市100%出資の株式会社化」*1により運営が、2018年4月1日から開始されたことを、本記事では紹介。「行政組織」の「切り離し」*2による成果と効果は、要観察。

*1:大阪市HP(市政方針・条例市政改革市政改革プラン2.0「市政改革プラン2.0」を策定しました)『市政改革プラン2.0(平成28~31年度)― 新たな価値を生み出す改革 ―』(大阪市平成28年8月 )49頁

*2:伊藤正次、出雲明子、手塚洋輔『はじめての行政学』(有斐閣、2016年)149頁

はじめての行政学 (有斐閣ストゥディア)

はじめての行政学 (有斐閣ストゥディア)