児童虐待の相談をしやすくしようと、東京都は十一月一〜十四日、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使った窓口「東京 親と子の相談ほっとLINE」を試験的に開設する。十一月の児童虐待防止推進月間に合わせたもので、児童虐待のLINE相談は全国初。都は来年度からの本格導入を目指している。 (原尚子)
 都によると、都内の児童虐待の相談対応件数は四年前から急増し、昨年度は一万三千七百件と過去最多。しかし警察や近隣知人など周囲からの相談が多く、当事者やその家族からの相談件数は伸び悩んでいる。
 そこで、子どもや子育て世代に浸透しているLINEに窓口を設定。「イライラして子どもをたたいてしまう」といった親の悩みや「ご飯を食べさせてもらえない」など子どものSOSを受け付け、虐待につながる可能性を見抜いて解決に向けて一緒に考え、支援につなげる。
 二十七日には相談を受ける臨床心理士らへの研修が都内で開かれ、約六十人が参加した。「母親の交際相手に性的虐待を受けた女子高校生」など架空の相談で対応訓練を実施。臨床心理士の女性(42)は「相手のつらさに共感することが大切だが、文字だと『そうですよね』の繰り返しで先に進まなくなることがある」と難しさも話した。
 全国SNSカウンセリング協議会によると、いじめなど子どもの悩み相談では本年度上半期、会員制交流サイト(SNS)での相談件数が電話相談の二六・四倍に上った。同協議会理事長でLINE執行役員の江口清貴さんは「今まで窓口に来なかった人をどうすくい取るかが重要」と話した。
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◆相談の友だち登録はQRコードで
 相談はスマートフォンなどでQRコードを読み取り「友だち登録」して行う。午前九時〜午後九時(土日祝は午後五時まで)。

本記事では,東京都における相談の取組を紹介。
同都では「児童相談体制強化に向けた取組」として,「LINEを利用した子供や保護者からの相談窓口を開設」*1。対象は「都内」に住む「子」と「保護者」,「実施期間」は,2018年「11月1日」から同月「14日まで」のうち「平日」は「9時00分〜21時00分」,「土曜日・日曜日・祝日」は「9時00分〜17時00分」*2。「質問や意見」*3への対応状況は,要確認。

*1:東京都HP(都政情報報道発表これまでの報道発表 報道発表/平成30(2018)年 10月)「児童虐待を防止するためのLINEを利用した子供や保護者からの相談窓口を開設します!」(2018年10月15日  福祉保健局)

*2:前掲注1・東京都(児童虐待を防止するためのLINEを利用した子供や保護者からの相談窓口を開設します!)

*3:稲継裕昭『AIで変わる自治体業務 残る仕事、求められる人材』(ぎょうせい,2018年)166頁

AIで変わる自治体業務―残る仕事、求められる人材

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