東京都世田谷区、介護従事者らへPCR検査、9月中旬から (日本経済新聞2020年8月24日)
東京都世田谷区の保坂展人区長は24日の記者会見で、区内の介護施設職員らを対象に新型コロナウイルスのPCR検査を9月中旬から実施すると発表した。当面は1日1000件程度を予定する。保育所・幼稚園の職員も対象とし、施設内でのクラスター(感染者集団)発生を防ぐ。
各施設から希望を募って検査する。検体は対象者が自分自身で鼻腔(びくう)を拭って採取。区は従来の検査方式に加え、複数の検体を一度に検査することでコストを削減できる「プール方式」を採用する。高齢者らは感染すると重症化するリスクが高いため、施設内で接触が避けられない職員を対象に「社会的検査」として取り組む。介護、保育施設などの従事者あわせて、約2万3000人への検査を見込む。特別養護老人ホームへの入居予定者らも検査対象とする。保坂氏は「対象をさらに拡大することも検討する」と述べた。
世田谷区は感染の疑いがある人を対象とする従来の検査も1日当たり300件から600件へと能力を倍増させる。大量に検査できる機器を導入することも検討する。一連のPCR検査の拡充に必要な事業費は約12億6000万円という。
本記事では,世田谷区における感染拡大対策の取組を紹介.
同区では,「介護事業所で働く職員」,「保育園・幼稚園で働く職員」,「特養等の施設入所予定の方」を対象に,「1日1,000人程度」をめどに「前鼻腔拭いで自己採取」する「プール方式」で「PCR検査」を「実施」*1.「概算経費」は「4億1,400万円」*2とされている.
「感染者を同定するため」*3の同取組.今後の実施状況は,要観察.
*1:世田谷区HP(目次から探す:福祉・健康:健康・保健・衛生:健康危機管理:新型コロナウイルス感染症:お知らせ:新型コロナウイルス感染症に対するPCR検査の取組みについて(区長記者会見発表内容より)【8月24日18時更新】)「世田谷区におけるPCR検査体制と社会的検査の概要(まとめ)」
*2:前掲注1・世田谷区(世田谷区におけるPCR検査体制と社会的検査の概要(まとめ))
*3:黒木登志夫「日本版CDCに必要なこと」村上陽一郎編『コロナ後の世界を生きる』(岩波書店,2020年)52頁 コロナ後の世界を生きる――私たちの提言 (岩波新書 (新赤版 1840))