益田市は、来年度の職員募集を中止することを決めた。職員半減を目指す福原慎太郎市長の意向による措置。既にホームページ(HP)や広報誌に募集要項を掲載し、11日から応募を受け付けていた。市は応募者らへの対応に追われている。
 市人事課によると、来年度は一般事務8人程度、埋蔵文化財担当1人を採用する予定だった。11日から9月24日まで募集期間とし、10月26日に一次試験をすることにしていた。21日までに数人から募集要項の請求があり、5人が願書を提出したという。市は応募者におわびの文書を発送するとともに、要項を配布した市内の4高校やハローワークに事情を説明した。市民にはHPや1日付広報誌で中止を知らせる

同記事では,益田市において,既に公募を開始していた,今年度の新規採用を停止したことを紹介.職員採用停止については,同市HPを参照のこと*1
同市の職員は,約500名体制(教育,公営企業を含む)*2.同職員体制から,本年7月の市長交代に伴い,同市新市長が選挙時に掲げられた「市職員半減,サービス倍増」*3の公約を受けての対応の模様.ただ,例えば,今回の停止は,今年度限りのものか,「当分の間」であるか等のように,各紙の報道のみでは把握できず,よく分からない部分もある.同種の他自治体の取り組みを観察すると,まずは,勧奨退職等をはじめとした退職管理から対処されることが一般的なのかと整理していた.同市の場合,新市長の御就任時期と人事管理の歳時記のうち採用時期に合致したこともあり,新規採用停止が優先されたと整理することが適当なのだろうか.今後の同市における人事管理の全体像は,就任式後の記者会見の市長発言において,「今年度中に計画のめどをつけたい.不補充もしくは補充を少なくする形になると思うので,減る過程でどの業務を先にはずすか,何を民間委託するかなどをこれから議論していく」と発言されたとの毎日新聞の報道*4もあるように,今後明らかになる模様.「人事は市長の力の源」*5と,市長経験者の回顧録等では暫し言及され,市長の専権領域ともいえる.ただ,同取組に対しては,同市議員からの各意見があることも毎日新聞では報道がなされている*6.市長権力と人事管理,そして,それらに対する議会権力との関係を考える上では,興味深い事例か.
なお,同市長,本田技研工業での勤務と松下政経塾を修塾された経歴*7.両社では.ホンダにおける「集団指導体制」と松下電器産業株式会社の「幸之助原理主義*8というそれぞれにガバナンスの特徴があるとされる.読売新聞では,就任後,今日までの状況を報道されている*9.市長の職務等の各種経歴が,市政運営に与える影響については別途観察しなければならないのかと最近思いつつもあるが,同市において,この特色ある二つのガバナンス形態が,同市においてハイブリッドされた市政運営となるのだろうか.これまた,興味深い.