雲隠 

お誕生日.また一つ年を重ねることができました(写真は,下名(本人).実家より提供).
             
同日,生誕100歳を迎えるクロード・レヴィ=ストロース.1935年から1937年にかけて行われた野外調査の結果を,特定な視線から描き,その15年後に『悲しき熱帯』として公刊.そして,本年,クロード・レヴィ=ストロースが同時期に滞在した新興都市サンパウロを,「異邦人」として「ぶらぶと彷徨い歩く」(11頁)なかで撮影された写真とエッセーを,今福龍太先生により翻訳され,同時に今福先生による,65年後(2000年)の同都市の姿を再撮影した写真と論考とを合本した『サンパウロへのサウダージ*1が,本日付の奥付で公刊.優れて美しい一冊.
同著の著者,クロード・レヴィ=ストロースの顰みに倣うわけではありませんが,正直なところ,相変わらず「旅や冒険家が嫌い」*2な下名ではあるものの,サウダージの思いが宿るほどに自治体を訪れ,自治体行政への観察を続け,いくつもの年を迎えるなかでも,可能であれば「そこにいる(being there)」*3のようなアプローチで描いていきたい.

*1:クロード・レヴィ=ストロースサンパウロへのサウダージ』(みすず書房,2008年)4頁

サンパウロへのサウダージ

サンパウロへのサウダージ

*2:クロード・レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』(中央公論新社,2001年)4頁

悲しき熱帯〈1〉 (中公クラシックス)

悲しき熱帯〈1〉 (中公クラシックス)

悲しき熱帯〈2〉 (中公クラシックス)

悲しき熱帯〈2〉 (中公クラシックス)

*3: R.A.W.Rhodes, Pault Hart,Mirko Noordegraaf,Observing Government Elites: Up Close and Personal,Palgrave Macmillan,2007,3.

Observing Government Elites: Up Close and Personal

Observing Government Elites: Up Close and Personal