相模原市議会の本会議開会時に一般質問などの様子を中継放送していた大型テレビ2台が、経費の削減などを理由に相模原市役所1階ロビーから撤去された。15日開会の7月臨時会の様子を見られるのは、市役所3階に設置されたテレビの1台のみとなり、市民団体は「『開かれた議会』という情報公開の潮流に逆行する」と疑問の声を上げている。
 テレビは、市役所改装に合わせて2000年11月に設置され、最大のものは70インチ(約1・1メートル×約1・4メートル)で、リース契約で年間費用は計100万円。議会中継のほか、市のPR映像を流していたという。テレビを管理する市管財課によると、リース契約の終了とPR映像の打ち切りがいずれもことし3月だったために、4月以降の撤去を決め、ことし3月の市議会総務委員会がリース費を廃止した予算案を承認。市管財課は「行財政改革の一環で費用対効果を考えた」、市議会事務局は「05年6月にインターネット上で議会中継を始め代替手段がある」と、それぞれ理由を説明する。
 これに対し、市議会傍聴を続ける「相模原市議会をよくする会」の赤倉昭男代表は「転入手続きなどで訪れた市民に議会情報を提供していた重要な手段。政令指定都市を目指す市とは思えない」と批判。市は「市民反応を見極めたい」としながら、市役所3階の傍聴者控え室にあるテレビの利用を呼び掛けるという。市庁舎内の議会中継は、県、横浜と川崎の両政令市、中核市横須賀市が市庁舎ロビーで続けている。

同記事では,相模原市において,庁内に設置されたテレビを廃止したことを紹介.同記事を拝読する限りでは,昨年度まで,同市庁舎内に複数設置されていたテレビのリース契約に伴い2台の大型テレビが廃止され,議会中継を同庁舎内にあるテレビを通じて,見る機会が少なくなることへの意見が示されている模様.一方で,同市議会では議会インターネット中継(ライブ中継・録画放映の両方)を実施.詳細は,同放映の詳細は,同市HPを参照*1
恐らく,解決案としては,「市役所3階の傍聴者控え室にあるテレビの利用を呼び掛ける」ことも確かではあるものの,安価のプロジェクターの購入を来年度予算内に計上し,庁内にある利用頻度が低くなったPCを通じて,庁舎のフロアー等の壁面等へ投影することで,「議会の透明性」*2の観点からの「開かれた議会」の制約への危惧を解消できるように思われるが,どうだろうか.ただ,実際に,庁舎内で放映されている議会中継をどの程度利用されているかは,本備忘録,2008年12月7日付の本備忘録以来のお馴染み(いえ,ご無沙汰)観察課題である「庁舎管理の行政学」の観点からは,興味深い観察課題(「第4章:執務と憩いの空間としての庁舎」の課題かな).

*1:相模原市HP(市議会)「相模原市議会中継

*2:江藤俊昭『協働型議会の構想』(信山社,2004年)174頁

協働型議会の構想―ローカル・ガバナンス構築のための一手法

協働型議会の構想―ローカル・ガバナンス構築のための一手法