瀬戸内市が公募していた副市長に三菱総研主任研究員の桑原真琴氏(41)、教育長として募っていた教育委員に邑久小学校長の山崎宗則氏(58)が決まった。瀬戸内市議会が15日の臨時会で選任する案に同意した。任期は副市長が11月1日から4年間、教育委員が2010年4月1日から12年12月24日まで。山崎氏は就任後、教育委員会議で教育長に選任される見込み。

同記事では,瀬戸内市における副市長及び教育長が選任されたことを紹介.2009年8月8日付2009年9月9日付の両本備忘録にて紹介した瀬戸内市による副市長・教育長候補者への公募の取組.
2008年12月28日付以来の断続的観察課題である「自治体人事管理の「半開き(semi-open system)化仮説」については,両職とも,2009年9月11日付の本備忘録で制度的な観点からの類型化を図ってみた,各種職に対する庁内外部からの登用制度の形態からすれば,副市長は「常勤・同意職・総務系・任期付」,教育長は「常勤・同意職・専門系・任期付」と位置付けられそう.
同種の職の候補者の採用方式においては,同市とともに,2009年6月3日付同年7月24日付同年8月22日付の各本備忘録にて紹介した豊岡市の取組のように公募方式を採用することで多様な公募者を選考することが可能.ただ,やや性急な公募方式が採用された場合,「入社して初めてその企業の良い面だけではなく悪い面の存在を知り」「必要以上の不信感や不満を募らせる」「リテンションショック」*1の蓋然性もある.そのため,2009年9月11日付の本備忘録でも紹介した香美町における副町長就任のように,ある種の「エグゼクティブ・リサーチ」(39頁)的に候補者を選出する可能性もまた効果的か(ただ,下名個人的には,上記制度類型のうち「専門系」での採用以外では,同職への直接的な就任よりも,特別職としての同職以外の他の「総務系」職に一定期間の就任された後,同職候補として議会同意手続に進むことが適当とも思わないでもありませんが).
その場合,財団法人地方自治情報センターによる「地方公務員採用試験案内」*2のような職員採用情報の集約機能とともに,2009年8月8日付の本備忘録でも考えてみた,より専門化された「空席公告」*3の整備が必要か.

*1:安藤史江『コア・テキスト 人的資源管理』(新世社,2008年)39頁

コア・テキスト 人的資源管理 (ライブラリ経営学コア・テキスト)

コア・テキスト 人的資源管理 (ライブラリ経営学コア・テキスト)

*2:財団法人地方自治情報センターHP「地方公務員採用試験案内

*3:稲継裕昭「アメリカ合衆国の公務員制度」『公務員制度改革』(学陽書房,2008年)53頁