1926年建築、移転し保存
 「近代化遺産全国一斉公開2009」に合わせ、小矢部市芹川、測量設計会社役員福島立将さん(49)が二十三日、自宅として使っている国登録有形文化財「旧宮島村役場」の公開を始めた。二十五日まで。(宮本隆康)
 旧宮島村役場は一九二六年建てられた和洋折衷の木造二階建て。老朽化でいったん取り壊しが決まったが、福島さんが保存のために買い取り、八六年に移築した。元の建材を一部補強や補修もして忠実に復元。九〇年には「とやま建築百選」に、二〇〇一年に国登録有形文化財に指定された。福島さんは「歴史遺産を大切に保存するだけでなく、現代の生活に再利用することがより良い在り方」と話す。公開は午前九時〜午後五時。内部ほか、太陽光発電風力発電による自家発電システムも公開する。
 近代化遺産は、幕末から第二次世界大戦期までに建設され、日本の近代化に貢献した産業・交通・土木の建造物。地方公共団体を中心につくる「全国近代化遺産活用連絡協議会」が、十月二十日を「近代化遺産の日」として、同一日〜十一月三十日、近代化遺産を全国で公開している。 

同記事では,小矢部市にある旧宮島村役場の一般公開が行われていることを紹介.同記事にもあるように,文化庁の公開事業の一環.同事業に関しては,文化庁HPを参照*1.「平成20年度は全国37都道府県・110市区町村において324箇所の公開」されており,本年度も多くの「近代化遺産」が公開.
同旧役場がある同市が位置する富山県の指定文化財を紹介されているHPを拝見すると,現在,「事務所,アトリエ兼住宅として活用」されているおり,建物としては「木造2階建て,下見板張りの洋館」,そして,「正面玄関ポーチの屋根,正面中央2階上部の半円形ブロークンペディメントと瓦葺きのマンサード屋根」の「造形意匠が特異」と紹介.更に,「内部の建具類も当時のものを多く用いて復元」*2されたことも特徴となる.
「幕末から第2次世界大戦期までの間に建設され,我が国の近代化に貢献した産業・交通・土木に係る建造物」である「近代化遺産」.2008年9月12日付の本備忘録にて紹介したように,その保存・活用等が財政的に困難とされるなかで,旧宮島村役場は,同記事にもあるように,民間の方の手により「移築」されたうえで,「保全復元」*3され,「自宅」として利用されており,2008年12月7日付の本備忘録の項目立てを試みた本備忘録における,妄想的・断続的観察課題である「庁舎管理の行政学」の観点からも,行政財産以後の利活用の状況としても興味深い(「終章:行政財産の転換期とその可能性」のなかの一節でしょうか).
是非とも実際に内覧させて頂きたい,と思いつつ,同記事及び上記文化庁HPを,よくよく拝読させていただくと,本日2009年10月25日迄の公開.流石に今回は難しそう,残念.