武雄市は31日、16億6987万円を追加する本年度一般会計補正予算案など10議案を発表。9月に、市周辺部の高齢者らが移動するためのミニバンを希望地区に無償で貸し出す「みんなのバス」制度のモデル事業を始めるほか、婚活を支援する「お結(むす)び課」を発足させることを明らかにした。
 「みんなのバス」モデル構築事業は577万円を計上。9月と12月から、それぞれ3地区ずつ、3カ月間のモデル事業を行う。運転者の手当と燃料代の一部を市が助成する。利用するミニバン3台は市内の企業などから寄贈を受けるため市の負担はないという。運行ルートは民間と競合しないよう、地区提案を受けバス・タクシー会社を入れた運営協議会で最終決定する。最寄りのバス停への送迎や金融機関など近隣主要施設の周回を想定している。
 「お結び課」は市職員1人を配置、課長と担当者数人は仲人経験をもつ60歳以上から外部公募。課長給与は町公民館長相当(8万2200円)を基本に結婚成立1件につき3万円を加える。事務所は北方支所に置く。樋渡啓祐市長は「地域コミュニティーを維持するためにも必要な事業。1年目に10件の結婚成立を目指したい」と語った。

本記事では,武雄市における機構改革の取組を紹介.
寝ぼけ頭で,同記事のリードを斜め読みさせて頂いたため,同市では,2009年5月26日付の本備忘録でも取り上げた「地域ブランドや観光資源を前面に押し出したユニークな組織編制」*1としての「いのしし課」に次ぎ,「「おむすび」も名産だったんだ」と思いつつ,よくよく本記事の内容を拝読すると,いわゆる「婚活」を「支援」する課を配置とのこと.なるほど.
本記事を拝読すると,同課の構成は,「市職員」に関しては「1人」のみの配置.ただし,「婚活」に関しては,その「情報構造の分権性」*2が存在するのか,又は,「現場知」*3に起因されるためとの判断からか,「課長と担当者数人は仲人経験をもつ60歳以上から外部公募」とされる模様.加えて,「課長給与」に関しては,「町公民館長相当(8万2,200円)を基本」とされるものの,「結婚成立1件につき3万円」が加えられることになる,という(デフォルトでは,課長職の給与が限りなく,配属される同課(市)職員よりも低額になるのでしょうね).
「業績」とは「多面的な概念」*4ともされるなか,同課における「業績」は明快.その達成状況は,要経過観察.

*1:伊藤正次「自治体行政組織の構造変化と改革課題」『都市問題研究』第61巻第4号,2009年4月号,64頁

*2:青木昌彦『日本経済の制度分析』(筑摩書房,1992年)

*3:河野勝「政策・政治システムと「専門知」」久米郁男・編『専門知と政治』(早稲田大学出版会,2009年)17頁

専門知と政治 (早稲田大学現代政治経済研究所研究叢書 34)

専門知と政治 (早稲田大学現代政治経済研究所研究叢書 34)

*4:OECD編著(平井文三監訳)『公務員制度改革の国際比較』(明石書店,2009年)55頁