地球温暖化防止策として、草津市は来月から、市内の事業所に対し、通勤用の電動アシスト自転車を貸し出す。従業員の通勤手段を自動車やバイクから自転車に切り替えてもらい、二酸化炭素の排出抑制に役立てる取り組みで、県内の自治体では初めて。
 市環境課によると、往復6キロの道のりを自動車から電動アシスト自転車にした場合、二酸化炭素排出量は50分の1に削減できるという。電動アシストなら坂道も比較的楽に走れるため、利用してもらいやすいと考えた。
 市は自転車30台を用意、無料で貸し出す。片道2キロ以上を自家用車かバイクで通勤している従業員の利用が条件で、1事業所あたり最大5台まで。事業所は毎月、自転車に取り付けたメーターで測った走行距離から二酸化炭素排出抑制量を計算し、市に報告する。事業費は500万円。
 1日から希望する事業所の募集を始め、幾つかの応募や問い合わせが来ているという。担当者は「電動アシスト自転車の使いやすさを体感し、通勤手段を切り替えるきっかけになれば」と期待している。問い合わせは市環境課(077・561・2341)。【南文枝

本記事では,草津市における市内事業所への通勤の際しての電動アシスト自転車を貸出の取組を紹介.同取組に関しては,同市HPを参照*1
草津市電動アシスト自転車貸出要領」を拝読すると,同要領第1条において「通勤にかかる二酸化炭素の発生を抑えることを目的」となり,「貸出対象」はまずは「貸出対象は市内に事務所,工場等を有する事業所」がその対象となり,加えて,「自宅または最寄りの駅から事業所までの通勤手段が,自家用車またはバイクであり,その距離が片道2km以上である従業員が,自転車を通勤に使用すること」,「従業員が就業日の概ね8割以上の日数を目標として自転車を通勤に使用すること」,「貸出を受ける自転車は,事業所において管理を行うこと」, 「(仮称)ノーマイカー通勤運動推進連絡会」に協力事業所として参加すること」を全て満たすことが求められている.同要領第3条に基づく,貸出に際しての条件は,「自転車の貸出期間は,3カ月間」であり,「貸出の状況に応じて,更新することができる」こと,「1台の自転車を複数の従業員が通勤に使用することはできる」こと,「自転車は,従業員の通勤に使用することを主目的とし,通勤以外においては,自家用車またはバイクの代替交通手段として,事業所が業務に使用することおよび従業員が就業日以外の日に使用することはできる」*2とも規定.
「対象」「主目的」以外にもその使用者,用途の汎用性が高く,いわゆる「エコ通勤」に限定されない場合の目的外使用に関しても,比較的鷹揚に規定されているようにも解することができ,「選択者が自分自身の判断で選択するようにしむけ」*3つつ,「モーダルシフト*4への漸進的な移行も観察できそうか.今後の同市の取組は,良経過観察.

*1:草津市HP(各課の窓口市民環境部環境課地球温暖化防止)「ノーマイカー通勤運動

*2:草津市HP(各課の窓口市民環境部環境課地球温暖化防止ノーマイカー通勤運動)「草津市電動アシスト自転車貸出要領

*3:リチャード・セイラー,キャス・サンスティーン『実践行動経済学』(日経BP社,2009年)143頁

実践 行動経済学

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*4:藤井聡・谷口綾子『モビリティ・マネジメント入門』(学芸出版社,2008年)18頁

モビリティ・マネジメント入門―「人と社会」を中心に据えた新しい交通戦略

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