3期12年に
 金沢市議会の超党派の市議八人が十四日、九月定例会に提案予定の「金沢市長の在任期間に関する条例案」を議会事務局に提出した。当初は一期議員五人による「二十年後の金沢を考える会」で提出する予定だったが、自民、民主系の一、二期議員らに賛同の輪が広がった。
 十二月九日の任期満了に伴う金沢市長選を前に、多選に批判的な市民の声を受けて条例づくりを進めてきたが、条例が効力を発する施行日は同月十日に設定。今月九日に六選出馬を表明した山出保市長(78)の選挙には影響ないよう配慮した。条例案は、十五日の議会運営委員会で市議会各会派に示され、対応が協議される。議会事務局によると、首長提案ではなく、議員提案によるこうした条例案は、全国の都道府県や市では可決されたことがないという。
 条例案は、市長の任期を三期十二年に制限する。提出議員によると、これまで各自治体の首長提案で定められた条例は、三期までのケースが多いことを参考にした。条例に強制力はないが、市議会として、市長の多選についての考えを示しておく狙いがある。高岩勝人代表は「本会議採決の二十二日までに、一人一人の議員と話をしていきたい」と可決を目指す。(山本義久)

本記事では,金沢市議会において,同市議会議員により市長の在任期間に関する条例案が,議会事務局へ提出されたことを紹介.同条例案については,同市議会HPでは,現在のところ,詳細は把握できず,残念.現職の「6選出馬を表明」*1を踏まえて,提出された模様.
本記事を拝読すると,同条例案では,同市市長の任期を「三期十二年」として,「強制力はない」とも報道されており,そのため,同任期を越えた再選を認めないという,使用期限を定めた条例化案というよりも,同任期を越えた再選に関しては適当ではないという,品質保証期間(又は期限)を定めた条例化案.同条例案の公開後,要確認.
「首長と議会は,あたかも車の両輪のよう」*2との認識に倣えば,片方の車輪からもう片方の車輪に関する品質保証期間(又は期限)を特定化される取組とも整理ができそう.確かに,長期利用に伴う車輪の摩耗,破損があってはその回転のリスクが生じることにもなり,その保証期間(制度)を提示しておくことは,利用者には有効な情報提供とも考えられなくもなさそう.ただ,一方で,片方の車輪の品質保証期間(又は期限)(又は,使用期限)を規定する当該車輪自体は,自らの品質保証期間(又は期限)(又は,使用期限)に関してもまた,「秩序維持者である地方議員」*3として,自ら規定されることも検討されることもあるのだろうか.
下名,両輪の品質保証期間(又は期限),使用期限の何れにおいても,相対的な概念として,まさに,「皆さんが判断して決めるもの」*4とも思わなくはないものの,今後の審議状況は,要経過観察.

*1:時事通信(2010年9月9日付)「山出氏が6選出馬表明=金沢市長選

*2:佐々木信夫『地方議員』(PHP出版,2009年)21頁

地方議員 (PHP新書)

地方議員 (PHP新書)

*3:馬渡剛『戦後日本の地方議会』(ミネルヴァ書房,2010年)255頁

*4:富山新聞(2010年9月16日付)「「市民が判断すべき」 金沢市議会一般質問 首長の多選で山出市長