弘前市は10月中の策定・公表を目指しているアクションプランの検討を行う庁内の検討会議「オータムレビュー」を21日からスタートさせた。初日は総務部や市民環境部などが各部ごとにプランに盛り込む実施内容などを説明した。
 アクションプランは葛西憲之市長が選挙中に掲げたマニフェストを行政の計画として位置付けるもので、これまでの市総合計画の基本計画に代わるもの。各部と協議を重ねるとともにプランの作成や進行管理を行う市政戦略会議を立ち上げ、検討を進めてきた。
 オータムレビューは策定に向けた最終調整や検討を図る場で、各部ごとに全工程表の実施内容やマニフェスト以外の重点施策などを盛り込む部長実行宣言案などについて検討する。初日は総務部から始まり、葛西市長が「アクションプランは市政の目標や各施策の取り組み計画を市民に分かりやすく示すことが必要。全庁一丸となり、市民に『なるほど』と思ってもらえるプランをつくり、実行したい」とあいさつした。レビューは22日まで行われる。

本記事では,弘前市におけるアクションプラン策定の取組を紹介.同計画の詳細については,現在のところ,同市HPで把握できず,残念.公開後,要確認.
2010年9月9日付の同紙を拝読すると,同計画は,「公約の実現に向け,より戦略的なプランの作成を目指す」ことを目的に策定されることとなり,2008年1月に策定された「弘前市総合計画」*1のうち,2007年12月21日に同市議会で議決された「基本構想」に関しては,同公約と「方向性が同じであるため維持」されるものの,「公約で示した施策を市の計画として位置付けるため」に同総合計画における「基本計画」に代替される計画として策定される模様.「計画期間は基本構想に合わせて2015年度」までの5カ年計画」として,「施策ごとに具体的な事業の実施内容や年度別の工程などを示」*2すことを主たる内容とされている.
「総合計画とマニフェストは別物であり,かつ,自治体は首長だけのものではないから,マニフェストが総て総合計画に掲載される必要性も必然性も妥当性もない」*3とは解される一方で,「首長選挙で「マニフェスト」を導入した自治体における整序の取組み」を観察すると,(マニフェストの具体化を反古にせず,その具体化の路線を保護した場合に限りますが)「既存計画体系の刷新をする場合」と「既存計画体系を維持しつつ,部分的な新規計画を策定する場合」*4の2形態が選択される様相も伺うことができ,前者の取組とも整理ができそうか.マニフェストの具体化の取組としても興味深そう.要経過観察.
また,2009年10月23日付の本備忘録にて記した,下名の中心的観察課題である「自治体内会議体」の観点からも,本記事でも紹介されている「市政戦略会議」も興味深そう.上記記事では,同会議体は,「プラン策定に当たり7月」に設置され,「市長をトップに,特別職や部長級で構成」されており,「プランの作成のほか,その進行管理についても検討を進めていく」*5ことを目的とも報道されている.同記事を拝読する限りでは,同市の「弘前市行政会議規則」*6に基づき設置されている「行政会議」との異同は判然とはしないものの,その分担管理又は重畳性については,要確認.

*1:弘前市HP(行政情報計画・取り組み)「弘前市総合計画(平成20年1月策定)

*2:陸奥新報(2010年9月9日付)「公約実現へ戦略的プラン策定へ/弘前

*3:金井利之『実践自治行政学』(第一法規,2010年)64頁

*4:松井望「総合計画制度の自由度と多様性」『自治体法務Facilitator』Vol.24.2009年10月号,19頁

*5:前掲注3・陸奥新報(2010年9月9日付)

*6:弘前市HP(弘前市例規集)「弘前市行政会議規則」(平成18年2月27日,弘前市規則第3号)