坂出市は19日、市内の高校に通う生徒で国家資格や英検1級など難易度の高い資格合格者に対し、受検料を補助する制度を来年度に新設することを明らかにした。補助率は資格の種類によって異なるが、半額もしくは全額。市企画課によると、こうした補助制度創設は香川県自治体で初、全国的にも珍しいという。
 19日に開いた市議会総務消防委員会(末包保広委員長)で内容を説明した。同課によると、長引く不況で高校生の就職事情が厳しさを増す中、生徒の学習意欲を高め、就職に役立つ資格を複数取得できるよう支援するのが目的。地場産業活性化という狙いもある。
 補助が受けられるのは、市内の4校(坂出、坂出工、坂出商、坂出一)に在籍する生徒で居住地は問わない。対象資格は計36種類。このうち、全額補助は危険物取扱者甲種や電気主任技術者第3種、英検1級、日商簿記1級など16種類。半額補助は危険物取扱者乙種や自動車整備士3級、英検2級など20種類とした。受検料は、補助がない場合で3400円〜1万5千円で、必要な予算は80万円程度となる見込み。財源はふるさと納税の「産業振興」目的などで集まった寄付金を活用する。坂出工高の合田憲弘校長は「資格取得は生徒の自信につながる。経済的支援はありがたく、地元に貢献したいという思いも強くなる」としている。手続きや対象資格など制度内容については近く各校に周知するほか、市のホームページにも掲載する。

本記事では,坂出市において,各種試験への受検料の補助制度を整備される方針を紹介.同制度の詳細は,現在のところ,同市HPには掲載されておらず,同記事のみの模様.残念.
「市内の4校」の「在籍する生徒」を対象に,「36種類」の資格試験に関して,「16種類」へは「全額補助」,「20種類」には「半額補助」となり,「予算」としては「80万円程度」が「見込」まれているとのこと,興味深い.「生徒の学習意欲を高め」,「就職に役立つ資格を複数取得できるよう支援」されることが「目的」とある.公表後,要確認.
受験費助成という「経済手法」*1の整備を通じて,学生の皆さんにとっては,当初より,就職に要する資格取得が予定された,堅固な「専門性」への資格試験への支援的な色彩を有することになるか,又は,資格取得への機会費用と資格試験への準備という埋没費用とを比較衡量の上,一つでも多くの新たな資格を取得されるような,「柔軟な専門性」*2の取得に向けた資格試験受験への行動変容に至る機会となるのか,実際の受験状況もまた,興味深そう.

*1:日高昭夫「政策手法の再編」今村都南雄編著『日本の政府体系』(成文堂,2002年)167頁

日本の政府体系―改革の過程と方向

日本の政府体系―改革の過程と方向

*2:本田由紀『教育の職業的意義』(筑摩書房,2009年)193頁

教育の職業的意義―若者、学校、社会をつなぐ (ちくま新書)

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