おしゃれなアウトドアウエア姿で山歩きを楽しむ若い女性、いわゆる「山ガール」が増えているのを受け、富山県は新年度から、立山への誘致作戦に本腰を入れる。4月16日 に立山黒部アルペンルートが全線開通するのに合わせて室堂に案内所を設け、気軽に立ち寄れるよう山ガールと同じような衣装をまとったガイド4人も配置。周辺の見どころなどをきめ細かく紹介し、山ガールの「聖地化」を目指す。
 18日発表した新年度当初予算案に、立山登山・トレッキングガイドモデル事業費とし て1500万円を計上した。室堂を訪れた山ガールを短時間で通過させず、「ガイド効果」で室堂から少し離れたところにあるみくりが池や地獄谷、美女平などにも誘導する。立山の魅力を十分に満喫してもらい、リピーターの確保や口コミによる誘客につなげるのが狙いだ。
 ガイドはさらに「アフター立山」に役立つ富山の日帰り温泉やお勧めの飲食店などの情報も提供。富山での楽しい過ごし方を提案して、富山を素通りしていた山ガールの富山宿泊も促す。山ガールは昨年ごろから立山でも目立つようになってきた。「室堂周辺の山小屋や立山黒部貫光の関係者からも、増えていると聞くようになった」(観光課)。県は、今後の取り組み次第で山ガールの一層の増加に期待が持てるとみている。

本記事では,富山県における2011年度当初予算案の内容に関して紹介.「山ガール」の誘致を想定された事業を計上された模様.同予算案に関しては,同県HPを参照*1
同案を拝読させて頂くと,「観光の振興・とやまブランドの確立」の「施策テーマ」の一つ「首都圏の女性客(山ガール)」に「ターゲットを絞り」,「立山に案内所を設置」され,「登山・トレッキングの楽しみ方やその後の県内観光を提案」され,「新たな客層の誘致を促進」*2されることを企図されている模様(「山ガール」は「首都圏」に限定された「女性客」として観念されているのですね,興味深い).
これら「山ガール」の観念に属する方々は,「首都圏」のみの「女性客」に限定されるものではあるかは判然とはしないものの,同案内所による「きめ細か」かなえ「事実の提示」*3は,「山ガール」のみの利便性の向上に至るものではないことも考えられなくもない.性別,世代,そして地域を超えて,訪問される方々の増加にも結びつくことにもなるのだろうか.

*1:富山県HP(組織別案内経営管理部 財政課平成23年度富山県予算平成23年度富山県予算)「施策テーマ別の主な事業6〜10」8頁

*2:前掲注1・富山県(施策テーマ別の主な事業6〜10)8頁

*3:秋吉貴雄,伊藤修一郎,北山俊哉『公共政策学の基礎』(有斐閣,2010年),95頁

公共政策学の基礎 (有斐閣ブックス)

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