老朽化して危険な空き家の撤去を促すため、大牟田市は今月から、解体処分費用の半分(最大で45万円)までを補助する制度を始めた。人口減から市内で空き家が増え、危険な状態の老朽家屋に周辺住民の苦情が増えているためだ。県内初の試みで全国でも珍しい。
 補助対象となるのは、壊れそうなほど老朽化しながら、経済的な理由で放置されたり、所有者が遠方に住んでいて連絡が取りにくかったりする空き家だ。近くの住民から危険だと心配する苦情が毎年10件ほど、市に寄せられているという。
 市は現地の写真を撮るなどして所有者に善処を求めてきたが、「年金生活で解体費を出せない」と釈明されたり、相続関係が不明だったりして、撤去まで進まない例が少なくない。市は「撤去を提案する際の呼び水になる」と期待する。予算は300万円、年7件ほどを見込んでいる。危険老朽家屋の背景には人口が減り、空き家が増える事情がある。2008年の住宅・土地統計調査で、大牟田市の住宅数6万110戸のうち空き家は9360戸で空き家率は15・6%。全国平均の13・1%、県平均の13・7%より高く、古い家の割合も多いという。(松本健造)

本記事では,大牟田市における家屋の解体処分費用の助成の取組を紹介.同取組に関しては,同市HPを参照*1
大牟田市老朽危険家屋等除却促進事業補助金交付要綱」*2を拝読させて頂くと,同「市内」で「使用されず,適正に管理されていない老朽危険家屋等を除却する工事」を行う場合,「その経費の一部を補助すること」で「市民の安心・安全の確保と住環境の改善及び良好な景観の促進を図ることを目的」(同要綱第1条)とした同取組.「老朽危険家屋等を除却しようとする申請者に対し」ては「予算の範囲内において」と予算制約を前提とされつつも「補助することができる」(同要綱第3第1項)とされており,具体的な「補助金の額」は「対象費用に2分の1を乗じて得た額以内」であり「450,000 円を限度」(同要綱第4条第1項)と規定されている.
同申請手続では,勿論,「老朽危険家屋等の所有者若しくは所有者の相続関係者」が「申請者」(同要綱第2条)ではあるものの,必ずしも同要綱では明記されてはいないようではあるものの,「事前の相談が必要」*3とされている.
また,同市HP内で公表されている同取組の「フロー」図を拝見すると,同手続では,まずは「相談者(近隣住民等)」からの「苦情相談」を起点となることが想定されている.同市が受け「現地調査・所有者調査」の上,「所有者等」に対して「対応(解体・危険箇所の除却等)」をまずは「指導」されることとなる.そして,同指導の結果次第で,上記の「事前相談」として,「建築物調査申込書」を同市に提出されることになる.同市では,同申込書を受けて,「建築物調査」を実施,「老朽危険度判定」を行い,「所有者等」に「判定書受理」を「通知」.その後に,「所有者等」が「工業者選定」により「見積り提示」し 「補助金交付申請」*4.へと至る手続が想定.同要綱に基づく交付申請手続に至るまでの,前手続としての事前相談,前提続に至るまでの基底手続としての「現地調査・所有者調査」に基づく「指導等」の三層の手続を設けられており,各層での合意形成が基礎とされる.特に,各層手続の層理面の整合を図る上では,まずは,基底手続での「所有者等」は勿論,そして,「所有者等」の見解次第では「相談者(近隣住民等)」との「合意」*5もまた肝要とも考えられ,その合意形成過程は,要確認.