統一地方選でコンピューター端末を使った電子投票を実施するのは、青森県六戸町議選だけとなることが23日、総務省のまとめで分かった。
 投開票事務の効率化をうたい地方選で導入されたが、コストが高いこともあって普及せず、いったん実施しながら取りやめる自治体が続出。2009年衆院選の政策集で国政選挙への導入を掲げた民主党にも、推進する動きはなく、電子投票は岐路に立たされた。地方選で電子投票を可能にする法律は、01年11月に成立。これまでに、一部実施も含め10市町村が電子投票で首長選や議員選を実施した。
 しかし03年の市議選以降、全国最多の計4回実施した宮城県白石市は昨年9月、市議選での電子投票を休止する条例改正案を可決。ほかに神奈川県海老名市や福井県鯖江市、岐阜県可児市三重県四日市市広島市電子投票の取りやめを決めている。

本記事では,六戸町における「電子投票」の取組を紹介.同取組に関しては,同町HPを参照*1.「六戸町議会の議員及び六戸町長の選挙における電磁的記録式投票機による投票に関する条例」*2.第1条に基づき,「六戸町議会の議員及び六戸町長の選挙における投票」に際して,同町で実施される「電子投票」.今回は,町議会議員選挙が対象.本記事でも紹介されているように,今回の統一地方選挙で唯一の電子投票制度の利用自治体となる模様.
本記事後段でも紹介されており,2010年11月11日付の本備忘録でも記録した電子投票制度利用継続の回避への傾向.つまり,「電子投票の実施に伴う技術的トラブル」や,その実施自体に「コストがかかること」*3こを勘案すると,効率化を想定された同仕組みではありつつも,結果的には非効率になることもあり,未導入自治体での電子投票制度の利用控え,又は,既導入自治体での制度利用継続の回避という選択に至っている模様.技術と費用という制約要因の大きさは,悩ましい.

*1:六戸町HP(選挙)「六戸町選挙管理委員会

*2:六戸町HP(六戸町例規集)「六戸町議会の議員及び六戸町長の選挙における電磁的記録式投票機による投票に関する条例」(平成十五年九月二十四日,条例第十三号)

*3:宇賀克也『地方自治法第4版』(有斐閣,2011年)203〜204頁

地方自治法概説 第4版

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