頑張れ、新米パパ―。高松市は、父親向けの育児冊子「たかまつ父親手帳」を作成し、無料配布を始めた。子どもの成長段階に合わせた心構えや育児法について、イラストや写真を多用して紹介。実際に子育てを経験した夫婦から集めた「パパの実感」「ママの本音」も満載し、市販のマニュアル的な育児書とはひと味違ったユニークな内容に仕上げている。
 冊子はA5判、オールカラーの57ページ。妊娠期から2歳までの成長の目安や遊び方、子育てのアドバイスについて段階ごとに分かりやすくまとめた。妊娠〜出産期は「雑誌や食器などの後片付けは自分で」「マタニティー講習に参加を」とアドバイス。夜泣きが目立つ4〜7カ月では、親のいらいらや焦りは子に伝わることを指摘し、「とことんつきあうぞ!と開き直る」「夜のドライブや、抱っこやおんぶで外の風に当たるのも効果的」とアドバイスしている。母親へのアンケート結果では、「つわりの時に食事を作ってくれた」「愚痴を聞いて精神的に支えてくれる」などとパパに感謝する声が並ぶ。一方で「自分はかわいがるだけで、爪切りなど嫌がることは母親任せ」「育児はたまに長時間ではなく、短くても毎日してほしい」といった、パパにとっては少々耳の痛い本音も載せている。
 手帳は市内の企業に配ったほか、母子健康手帳と一緒に渡している。市役所本庁舎や各支所・出張所などにも備え付けている。問い合わせは子育て支援課〈087(839)2354〉。

本記事では,高松市における父親手帳の作成,配布の取組を紹介.同手帳に関しては,同市HPを参照*1
「「イクメン」,つまり「子育てパパ」になっていただくために,その指南役」となることを企図し,「40,000部」*2作成された同手帳.その内容は「妊娠・出産から子どもの成長にあわせ」て,初段から六段まで段階を追って記述されており,「「パパになる準備」や「パパの子育て」のポイント,子どもの成長と生活,ママの体調と生活について掲載」.「母子健康手帳配布時や市に転入する子育て家庭に配布」に加えて,同市の「たかまつパパネット」*3内でもダウンロードが可能となっている.まずもって,「基本的な「働き方」を見直すことが重要」*4とも考えられるものの,いわば,「男は自然に父親になるのではなく,周囲の働きかけによって父親にさせられる」*5ものとすれば,同手帳の入手もまた,父親となることを自覚する機会となるのだろうか.興味深い.

*1:高松市HP(新着情報一覧)「たかまつ父親手帳−ようこそイクメン道場へ−を作成しました!(2011年3月31日)

*2:高松市HP(市長室発言集)「市長定例記者会見(平成23年3月29日)

*3:高松市HP(たかまつパパネットはじめに)「父子手帳ダウンロード

*4:武石恵美子「働き方改革を進めるために」佐藤博樹, 武石恵美子編著『ワーク・ライフ・バランスと働き方改革』(勁草書房,2011年)206頁

ワーク・ライフ・バランスと働き方改革

ワーク・ライフ・バランスと働き方改革

*5:山極寿一『オトコの進化論』(筑摩書房,2003年)121頁

オトコの進化論―男らしさの起源を求めて (ちくま新書)

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