横浜市は15日、OB職員の再就職状況を公表した。1日時点で市が適正と定めた再就職先の在職期間を上回るOBは9人(2010年18人)、年収の限度額の基準を超過したのは61人(95人)となり、いずれも前年よりも改善された。市は「来年7月にはほぼ適正化されるめどがついた」と話している。
 外郭団体など108団体を対象に、OB職員の在任期間や年収の現状を調査した。市が定める基準では、退職後の在職期間が副市長など特別職は4年、区局長級以下は5年間(原則64歳まで)。年収ベースでは、役員の場合、特別職が900万円、区局長級が700万円、部長級が600万円を上限としている。職員として再就職する場合は、区局長級以上で500万円、部長級で430万円と決めている。調査時では、再就職者数は310人で、このうち9人が在職期間を過ぎており、61人が年収の基準を超えていた。市総務局はこの61人についても51人は来年7月までに適正水準になると見込んでいるという。
 市は「天下り」への社会的な批判の高まりを受けて10年1月に対策を打ち出し、実施状況を公表。未達成の理由が不明確な団体に対しては支援を見直す方針を示している。

本記事では,横浜市を退職された方の再就職状況を紹介.2009年7月5日付の本備忘録で2008年度の定年退職者の再就職状況の公表を記録し,2010年1月28日付の本備忘録では,本記事後段にて報道されている「10年1月に」「打ち出し」た「対策」に関しても記録した同市の退職管理の取組.
まずは,2010年度の「課長級以上」の退職者の再就職状況に関しては,同市HPを参照*1.「145」名の「課長級以上」の退職者のうち,「111」名が「再就職者数」となり,その内訳は,「39」名が「外郭団体」,「7」名が「再任用」,残る「65」名は「その他」となる.本記事では,これら2010年度の「課長級以上」の退職者の再就職状況の公表ではなく,「OB職員の再就職状況」を「公表」されたことを紹介.ただ,現在のところ,「再就職者」の再就職状況に関しては,同市HPでは確認ができず.残念.
2010年1月28日付の本備忘録では,その内容が確認できなかった「再就職者」への同市の対策.本日,本記事を拝読し,再度,同規制に関して確認させて頂くと,同日付の備忘録でも記録した「横浜市職員の再就職に関する取扱要綱」ではなく,「外郭団体等役員及び職員の人事及び給与の基準に関する要綱」*2の改訂により,「再就職者」への再就職への規制が設けられたことが分かる.同要綱では,「外郭団体の役員又は職員として再就職した本市退職者」に対して,「再就職者の在職期間」を「2年を超えないもの」(同要綱第4条第1項)として「要請」することされている.ただし,「当該外郭団体から要請があった場合」は「再就職者が1年を超えない範囲で再任することを妨げないもの」(同要綱第4条第2項)としつつも,「再就職者の通算の在職期間」を「再任を含め4年を超えることができないもの」(同要綱第4条第3項)ともされている.また,「再就職者」は「年齢65歳に達した日の属する年度の末日を超えて在職することのないよう」にも「要請」(同要綱第5条).更には,「再就職者」が「複数の団体の役員を兼ねることのないよう」に「要請」(同要綱第6条)もされている.
役員報酬及び役員賞与並びにその他手当」及び「職員給料,期末手当及び勤勉手当並びにその他手当」に関しては,「当該年度における合計額」が「当該再就職者が本市を退職した時の職位等に応じて」「年収限度額」「以下となるよう」にも「要請」(同要綱第13条)されている.具体的には,「役員」として再就職する場合は.「退職時職位」が「副市長等特別職」の場合には,「900万」「区局長及び区局長相当職」であれば「700万」,「部長及び部長相当職」の場合には「600万」とされ,「職員」として再就職する場合は,「退職時職位」が「区局長級以上」であれば「500万」,「部長級」は「430万」,「課長級」は「370万」,「課長補佐級」は「340万」,「係長級」が「320万」,そして「係員」の場合には「300万」が「給料等年収限度額」として,同要綱の「別表」にて規定.なお,「副市長退職者」に関しては「特例」が定められており,「在職期間」は,本記事でも紹介されているように,「通算して4年を超えることのないよう」「要請」(同要綱第14条第1項)しており,あわせて,他の「再就職者」とは異なり,「当該再就職の都度」にその再就職先団体名及び役職名」を「市会に報告する」(同要綱第14条第1項)ことが求められている.
その身分保障の現状から,「生涯職の身分をもっている」*3とも解されることもある「自治体職員」.ただ,2008年8月6日付の本備忘録でも考えた見た通り,同市における「再就職者」の再就職期間の上限設定により,決して「生涯職」ではなく,あくまで,年金受給年齢までの補完性として「補われて支払われた報酬(complete compensation)」的な性格とも整理ができそう.公表後,要確認.