来春採用の県職員採用試験(大卒程度)に応募しながら試験に欠席した人の割合(欠席率)が35・2%に上り、大卒の大量採用を始めた1977年以降、最も高かったことが18日、県人事委員会のまとめで分かった。来年4月に政令指定都市への移行を目指す熊本市に受験者の一部が流れたためとみられる。
 県人事委によると、欠席率は95年までほぼ20%前後で推移していたが、熊本市と試験日が重なるようになった96年以降、徐々に上昇。今年は前年比6・1ポイント上がり、30%を超えた。受験者数も819人で、前年より101人減った。一方、県と同じ日に採用試験を行った熊本市の欠席率は23・9%で、前年より0・4ポイント下がった。採用予定数が増えたこともあり、受験者数は1641人と前年から440人も増えた。
 県人事委は、熊本市を意識し、今年の試験から専門知識を問う記述式試験を廃止。面接の配点を高めて人物重視の選考に移行したばかり。人事委は「県を担う人材は確保できた。欠席者に理由を尋ねるなどして試験方法を研究し、受験者数を増やす努力を続けたい」としている。(亀井宏二)

本記事では,熊本県における職員採用試験の受験状況を紹介.詳細は,同県HPを参照*1
同県の2012年度の職員採用試験に関しては,「92人」の「採用予定者」に対して「1,264人」の応募があり「13.7倍」の倍率であるなか,実際には「819人」が受験され「64.8%」の受験率と,本記事にも紹介されているように35.2%が未受験の状況にある.内訳を見てみると,「事務系」に関しては「62」名の「採用予定者」に対して「954」名の応募のなか「624」名が受験され「65.4」%の受験率にある.方や,「技術系」は「30」名の募集に対して「310」名の応募があるものの,実際には「195」名が受験されており,受験率は「62.9」%になる.事務系に比べると,僅かではあるものの受験率が低いことが分かる.
一方,本記事でも紹介されている熊本市の受験状況を拝見させて頂くと,「上級職等」の区分では,「160」名の募集に対して「2,157」名の応募があり, 「1,641」*2名が実際に受験.結果,受験率は約76.1%の状況にあり,確かに,受験率(非受験率)は熊本市が高値(低値)にあることが分かる.本記事では,同県では「熊本市を意識」されつつ「人物重視の選考に移行」されたことも報道.確かに,教養試験,専門試験を行う「第1次試験」は「満点220点」,論文試験と面接試験を行う「第2次試験」は,論文試験が50点,面接試験が200点と「満点250点」,そして,面接試験のみを行う「第3次試験」は「満点300点」*3と,全試験への配転770点満点中面接試験に500点が配点されている.「熊本市に受験者の一部が流れたためとみられる」との分析結果も紹介.同分析が該当するとすれば,市と府という「採用機関」「間」での「人材獲得競争」*4の一つの結果とも整理ができなくなさそう.同じく「面接重視」*5という制度条件下にあるふたつの自治体間での受験者の受験選択の要因は,要確認.