20〜30歳代の若手の県職員がこのほど、U・Iターンなど定住対策についての政策を溝口善兵衛知事に提案した。庁内の政策提案制度に基づく提案。霞が関で官僚を務めた後に県知事へ「Uターン」した溝口知事も「多くの人と意見交換してまとめた生きた提案だ」と評価した。
 提案したのは、中小企業課の松本真由主任(32)ら7人。東京、大阪で暮らす県出身者100人以上にインタビューし、学生▽Uターン▽Iターン▽農業−−の4分野に絞り定住対策を検討した。学生へのアプローチとしては、県外へ進学する高校生へ県内情報を提供したり、県内就職に興味を持ってもらうためのPRを成人式で実施することを提案。Uターン者向けに、近年利用者が増えるフェイスブックなどソーシャルネットワークサービス(SNS)を通じた情報提供も盛り込んだ。松本さんは「多くの人の思いを反映した提言ができた」と話した。【曽根田和久】

本記事では,島根県における職員提案制度の取組を紹介.同制度に関しては同県HPを参照*1
同制度では,「政策課題」を「知事が,随時,決定」し,当該「政策課題毎に募集要項を定め」て「政策提案者となる若手職員を公募で決定」.「平成23年度」は,本記事にて紹介されているように「定住対策」がその課題.7名の職員さんたちが,「平成23年7月5日」から「11月7日」迄の4ヶ月間で「UIターン者や市町村」「受入地域など」「124名(団体)と意見交換を実施」しつつ,「知事」とも「初回ミーティング」を「平成23年7月5日」,「中間報告」を同年「9月14日」,そして,「最終報告」を同年「11月7日」の3回を行っている.最終的には本記事にて紹介されているように,「定住対策政策提案報告書」として,「「学生」「Uターン」「Iターン」「農業」の4本の柱で政策」*2を図ることが提案されている.
まさに,「囚われの聴衆」*3に留まることなく,「迂遠」とも言えそうな「原因探求」*4とも言えそうな「考え,調査」*5に基づく同政策提案制度.これらの提案がいわゆる「原始スープ」*6の状態から,今後,具体化に向けて「行動」*7される様子は,要観察.

*1:島根県HP(県の取組み・一般政策・財政計画・政策・評価)「若手職員の政策提案

*2:島根県HP(県の取組み・一般政策・財政計画・政策・評価若手職員の政策提案平成23年度若手職員政策提案定住対策政策提案報告書」5頁

*3:大森彌『自治行政学入門』(良書普及会,1987年)170頁

自治体行政学入門

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*4:伊藤修一郎『政策リサーチ入門』(東京大学出版会,2011年)187頁

政策リサーチ入門―仮説検証による問題解決の技法

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*5:稲継裕昭『現場直言! プロ公務員変革力』(学陽書房,2011年)213頁

現場直言!プロ公務員の変革力―成功をもたらす7つの力

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*6:前掲注4・稲継裕昭2011年:215頁

*7:前掲注4・稲継裕昭2011年:213頁