松阪市は市長選や市議選で、立候補予定者がマニフェストを作成しやすくするために市がデータなどを提供して支援するマニフェスト支援条例案を2月市議会に提案する。山中光茂市長が10日、記者会見して明らかにした。類似の制度を要綱で定めている自治体は岐阜県多治見市など全国に8自治体あるが、条例を定めている自治体はないという。
山中市長によると、マニフェスト型選挙が定着すれば政策内容が充実し、有権者が比較検討できる選挙となり、住民の自治参加意識も推進できるという。条例案では、市が提供するデータとして市議会の議案、会議録、市の計画書、予算書、決算書、市が作成した発行物の情報などを規定。支援の方法については情報の閲覧やコピーの提供などで、職員が説明を求められた場合は市情報公開条例に定める範囲内で説明するとしている。【橋本明】
本記事では,松阪市におけるマニフェスト作成支援のための条例案の策定方針を紹介.同条例案の概要は,現在のところ把握できず,公表後,要確認.
本記事を拝読させて頂くと,「市議会の議案,会議録,市の計画書,予算書,決算書.市が作成した発行物の情報」の「データ」を,「情報の閲覧やコピーの提供」により「市が提供」され,「職員が説明を求められた場合は市情報公開条例に定める範囲内で説明」する方針の模様.
同条例案の制定により,確かに「外側(outwards)」*1への透明性も高まる効用も想定されなくもないものの,本記事後段でも紹介されているように,同市では,2005年に「松阪市情報公開条例」*2を制定されている.そのため,同条例との異同が,下名は本記事のみでの情報に基づくため,判然とはしない.新たに,立候補者向けの情報提供に関する条例を制定される場合,現在の情報公開条例では「当該請求書を受理した日から起算して15日以内」とされる「公開の請求に係る公文書を公開する旨又は公開しない旨の決定」(同条例第7条第1項)とある規定を,両条例間で異なるように規定することも考えられるかもしれない.例えば,公示直前に立候補を思い立った方が,詳細な「マニフェスト」を作成を試み,必要となる各種行政情報を収集しようとした場合,同条例に基づく手続では十分に請求できない場合も想定されなくもない.そのため,同期間が短縮化されば,より同条例案の趣旨を活かす規定になるのかなあとも思わなくもない.実際の規定はどのなるのだろうか.いずれにせよ,実際の同条例案の規定は,公表後,要確認.
*1:Heald,Daivd.2006.‘Varieties of Transparency’Christopher Hood,David Heald(eds.)Transparency The Key to Better Governance: Oxford UP:28. Transparency: The Key to Better Governance (Proceedings of the British Academy)