平塚市は今月から、介護保険施設などでボランティア活動をすると、ポイントを付与する「ひらつか元気応援ポイント事業」を本格スタートさせた。1時間1ポイントで100円に相当し、年間で最大5千円に換金できる。市社会福祉協議会に登録が必要で、19日に市福祉会館(追分)で説明会を開催する。また、1ポイント以上付与され応募すると、抽選でサッカーの湘南ベルマーレの観戦チケットも当たる。
 ボランティア活動は、市内26事業所でレクリエーションの手伝いや高齢者の話し相手、シーツ交換などの職員補助、外出の補助などを行う。事業所により内容は異なる。対象は市内在住の65歳以上。参加者の介護予防になると同時に、地域の介護保険施設を知ってもらう狙い。説明会に参加したうえで市社会福祉協議会に登録を行う。昨年10月から試行され、今月に正式スタートとなった。説明会は19日午前10時から。申し込みは市社会福祉協議会ボランティアセンター電話0463(33)0007。問い合わせは市高齢福祉課電話0463(21)8778。

本記事では,平塚市における介護支援ボランティアの取組を紹介.同取組は,同市HPを参照*1
同市では,「介護保険第1号被保険者(65歳以上)で介護保険料の未納がない方」が,「介護保険施設等で活動」し,その結果「施設での活動実績を手帳」へスタンプが押され,「スタンプ数に応じて,交付金を交付」する仕組み.「利他主義だけではなく,いわば穏健な利己主義な動機づけ要因」*2を置くことで,「介護保険施設等で活動」を促す取組.
同取組は,同市HP内でも紹介されているように,稲城市が参照先とされる.稲城市では,当初は「介護支援ボランティアへの保険料控除制度の創設」の要請を行い,その結果,「一定の社会参加活動をした者に対し,活動実績に応じ」,「実質的に保険料負担が軽減できるシステム」として「全国展開」に至る.そして,「2007年9月」に,稲城市が「試行的(モデル)事業を開始」*3している.そのため,稲城市の「介護支援ボランティア制度」では,「介護支援ボランティアポイント(評価ポイント)の活用による保険料負担軽減の方法」*4も詳述する.一方で,同市の「ひらつか元気応援ポイント事業」では,同市の同取組では,「社会参加・地域貢献」,「介護予防」,「地域にある介護保険施設等」の認知に力点が置かれているものの,それがまさに「実質的」であるためか,必ずしも,保険料負担軽減に関しては明示されてはいない.「政策波及」*5する同制度の運用と,保険料軽減の効果は,要確認.

*1:平塚市HP(市民の皆さんへ福祉高齢福祉)「ひらつか元気応援ポイント事業

*2:田尾雅夫『市民参加の行政学』(法律文化社,2011年)149頁

市民参加の行政学

市民参加の行政学

*3:稲城市くらしの情報福祉介護保険稲城市介護支援ボランティア制度)「稲城市介護支援ボランティア制度の経過

*4:稲城市くらしの情報福祉介護保険稲城市介護支援ボランティア制度稲城市介護支援ボランティア制度の概要 )「介護支援ボランティアポイント(評価ポイント)の活用による保険料負担軽減の方法

*5:秋吉貴雄,伊藤修一郎,北山俊哉『公共政策学の基礎』(有斐閣,2010年),250頁

公共政策学の基礎 (有斐閣ブックス)

公共政策学の基礎 (有斐閣ブックス)