「おいしくて栄養バランスもいい」と評判の東京都足立区の学校給食が、区役所14階のレストランのメニューに登場し、人気を集めている。
 同区の給食は2011年、調理法を紹介する料理本が発売され、8万部の大ヒットになっている。区役所のレストランでも、限定30食が連日、正午には売り切れてしまう状態で、区はうれしい悲鳴を上げている。子どもたちの食べ残しを減らそうと、同区が「おいしい給食」事業を始めたのは2008年度。有名シェフが献立を考えた「スーパー給食」を採り入れたり、各校の栄養士が考案したレシピや献立を学校間で共有したりした結果、10年度の区立小中学校の食べ残し量は事業開始前に比べ、約120トン減ったという。その後、料理本の発行などの影響で、「実際に給食を食べてみたい」という要望が寄せられ、区は役所最上階のレストランに提供を依頼。今月10日から、給食がメニューに加わった。
 メニューは月替わりで、今月は「ハヤシライスと野菜のくるみあえ」(550円)。ハヤシライスは牛肉の代わりに豚肉を使い、生のトマトを入れて、酸味を利かせた。付け合わせは小松菜にクルミを混ぜ、野菜嫌いの子どももおいしく食べられるよう工夫した。同区出身で、埼玉県在住の自営業の男性(60)は「脱脂粉乳の時代からは考えられないくらいおいしい。今の子どもは幸せですね」と笑顔を見せていた。給食の提供は午前11時〜午後2時半で、売り切れ次第終了。同区教育委員会おいしい給食担当の塚原邦夫係長は「こんなに人気が出るとは思わなかった。足立区の給食のおいしさを広く知ってもらえれば」と話す。

本記事では,足立区における学校給食の取組を紹介.
同区庁舎南館14階の「展望レストラン」*1にて,同区の「おいしい給食」*2を提供する同取組.なるほど,給食の提供を通じて,「偏った食事」*3がある方の補正の効果も期待されそう.
同区では,2008年度から2011年度の3カ年で「おいしい給食推進事業」を実施.2011年7月にまとめられた『おいしい給食推進事業3ヵ年報告書』を拝読させて頂くと,同事業の一環として2010年10月に「おいしい給食まつり」を開催されていたことが分かる,同まつりでは,「キムチチャーハン等」*4を,やはり同庁舎のレストランで提供.本年2012年からは,同庁舎のレストランで,「11:00〜14:30」の「平日ランチタイム」に,「「東京・足立区の給食室」レシピ本から」「月替りメニュー」*5として,常時販売が開始.2012年4月は「623cal」の「ハヤシライスと野菜のくるみ和え」を「550円」*6.おいしそう.本記事を拝読させて頂くと,「限定30食が連日,正午には売り切れ」とのこと.その時間から推察すると,執務時間以外ともなり,庁内で勤務されている方々以外の利用が多い,ということなのだろうか.
2008年12月7日付の本備忘録において項目立てを試みた本備忘録における妄想的・断続的観察課題のひとつである「庁舎管理の行政学」の観点からは,「第3章:役所食堂の行政学」からも興味深い取組.食堂という場を通じた「総合行政モデル」*7化としても,整理ができそう.

*1:足立区HP(施設案内足立区役所足立区役所)「本庁舎各階ご案内

*2:足立区HP(くらしのガイド 学ぶおいしい給食 )「 おいしい給食 トップページ

*3: 岡田正彦『人はなぜ太るのか』(岩波書店,2006年)199頁

人はなぜ太るのか―肥満を科学する (岩波新書)

人はなぜ太るのか―肥満を科学する (岩波新書)

*4:足立区HP(くらしのガイド 学ぶおいしい給食 おいしい給食 トップページ)『おいしい給食推進事業3ヵ年報告書』(足立区おいしい給食推進委員会,2011年7月)17頁

*5:足立区HP(トピックス)「[http://www.city.adachi.tokyo.jp/020/d16300008.html:title=「東京・足立区の給食室」がメニューに!!)

*6:前傾注3・足立区(「東京・足立区の給食室」がメニューに!!]」

*7:村上祐介『教育行政の政治学』(木鐸社,2011年)70頁