政府は9日、東京電力福島第1原発事故の避難者が放射線量の低い地域に集団移転する「仮の町」づくりの費用を全額国負担とする方針を固めた。2013年度予算案に災害公営住宅介護施設の建設を支援する「生活拠点形成交付金」を盛り込む。数百億円規模とみられる。福島復興再生特別措置法の改正案を通常国会に提出する。
 仮の町を検討しているのは、全町避難を迫られた大熊、双葉、富岡、浪江の4町。改正案によると、福島県と4町、受け入れる市町村が共同で事業計画をつくって復興庁に提出、交付金を受ける仕組みを設ける。受け入れ先には福島県いわき市などが挙がっているが、県外も認める方向だ。
 対象事業は、災害公営住宅を核に、学校、介護施設、周辺道路の整備などを想定。コミュニティー維持対策などソフト事業にも使える。交付金を原資に基金をつくることも認められそうだ。予算規模を含め、詳細は地元自治体の意見を聞いて決める予定で、別に避難解除区域などへの帰還を支援する交付金も検討している。法案には、避難解除区域への新規の企業立地が進むよう優遇税制の拡充も明記。これまで優遇は既存の業者に限ってきたが、法改正で新規の進出企業にも適用する。福島県が計画を作成して国に報告、県が認定した事業者の法人税を軽くする。既存業者を含め、不動産取得税などの地方税自治体の判断で軽減できるようにし、減収は国が補う。住民の帰還を進めるため、避難指示が出ている区域も国が公共事業を代行できるようにする。

本記事では,政府における,いわゆる「仮の町」の整備に要する費用負担の方針を紹介.
本記事によると,「福島県と4町,受け入れる市町村が共同で事業計画をつくって復興庁に提出」「交付金を受ける仕組み」となり,「全額国負担」となる模様.また,「受け入れる市町村」に関しては「県外も認める方向」ともある.受け入れる市町村との協議,そして,「物理的な拠点」となる施設を「どのように配置」*1を進められるか,今後の過程も,要経過観察.

*1:今井照「「仮の町」構想と自治の原点」『ガバナンス』No.137,2012年9月号,25頁

ガバナンス 2012年 09月号 [雑誌]

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