本日は,同書.2012年10月27日付の本備忘録にて記録した「選書ツアー」の際に,図書館用としては購入していましたが,個人用にも改めて購入.
本務校での来年度の学生さんとのグループ研究のテーマを,下名は「庁舎管理」と設定(そうです,2008年12月7日付の本備忘録で項目立てを試みて以来の本備忘録の断続的な観察課題のひとつでもあります「庁舎管理の行政学」を,教育と絡めて進めてみたいと思います).そこで,参考文献用として拝読.
執務空間の整理,窓口改善又は新設,新庁舎建設,施設レイアウトの見直し,遊休施設の活用,文書管理,財源問題等,同書のタイトルにもある「ファシリティマネジメント」の観点から「事例を中心」(4頁)に記述.読み進めると,例えば,庁舎新設をめぐる空間と財源との間のように,トレード問題が幾つか明らかになり,特に次の指摘は,現状維持を選択した場合での「利用するものが誰か」という論点を考える上でも,なるほどと思いました.

既存庁舎を改修する場合には床面積が変えられないため,狭隘化に関する問題は来庁者側と職員側でトレードオフの関係なりやすく,一方の問題を解決すれば他方の問題が深刻化する場合がある」(51頁)