札幌市営地下鉄のICカード乗車券「SAPICA(サピカ)」が路面電車(市電)と札幌市内の路線バスなどで利用できるようになった22日、システム異常などのトラブルは午後8時現在で報告されず、「順調な滑り出し」(市交通局)となった。乗客は「市内の移動がしやすくなった」と歓迎する一方、めどが立っていないJRとの相互利用を求める声も上がった。
 サピカの利用が可能になった北海道中央バス(小樽)、ジェイ・アール北海道バス(札幌)、じょうてつ(同)の3社のバスが発着する札幌駅バスターミナル。旅行で札幌を訪れ、サピカを購入した神奈川県の会社員吉田祐二さん(35)は「バスと市電に乗ってみたが、旅先の乗り物がカード1枚で済むのは便利」と話した。
 この日は利用拡大の記念サピカが発売され、地下鉄大通駅の定期券発売所には午前8時の営業開始前から約460人が列をつくった。5時半から並んで、一番乗りだった千歳市の会社員阿部健一さん(46)は、「札幌にはよく来るので市内を移動しやすくなる」と喜んだ。ただ、サピカはJRでは使えない。地下鉄さっぽろ駅構内でサピカを買った東区の主婦(67)は「JRでも使えるようにすべき。このままではサピカが孤立する」。
 この日からJR北海道の「Kitaca(キタカ)」など全国10種類の鉄道系カードが市営地下鉄、市電、3社のバスで使えるようになったこともあり、サピカとキタカを使って札幌に通勤している江別市の看護師明石和子さん(33)は「2枚持つのも面倒だし、これを機にサピカはやめようかな」と話した。
 市交通局は、各交通機関の始発が午前6時台のため、4時からシステムが正常に作動するか確認に当たった。複数のカードを重ねて利用すると改札機を通過できなくなる事例についても、交通局に問い合わせはなかったという。(尾張めぐみ、玉邑哲也)

本記事では,札幌市におけるICカード乗車券の取組を紹介.
「平成25年6月22日(土)午前8時から」「路面電車(市電)・バス」での「利用」を「開始」*1.これにより「全国10種類の鉄道系カードが市営地下鉄,市電,3社のバスで使える」ことにもなる.
ただし,2013年6月24日付の本備忘録で記録したように市電乗車時に利用してみると確かに便利(ただし,新千歳までJRの改札を通ろうとするとしばらくぶりに料金不足の表示が出て改札を通過な状態に,どうやら,オートチャージ機能は現在のところ対応されていない様子.一瞬焦りました).「公共交通機関」の「活用」*2が拡がることになるのか.利用状況も要確認.

*1:札幌市HP(くらし・手続き交通市営交通地下鉄(高速電車)地下鉄からのお知らせ路面電車(市電)・バスでのSAPICAのサービス開始及びSAPICAエリアにおけるKitaca・Suica等の利用サービス開始についてバス・市電におけるSAPICA導入について)「バス・市電でのSAPICAのサービス開始」(札幌ICカード協議会,平成25年(2013年)3月14日)

*2:礒崎初仁・金井利之・伊藤正次『改訂版 ホーンブック地方自治』(北樹出版,2011年)126頁

ホーンブック 地方自治

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