県は2014年度から、全庁的にタブレット端末の導入を進め、業務の効率化と意思決定の迅速化を目指す。知事部局の各課幹部級以上の職員の個別所持も想定しており、庁内の会議や打ち合わせのたびに資料づくりに追われていた業務を見直し、「スマート県庁」の実現を目指す。14年度当初予算案に関連経費を盛り込む方針だ。
 黒岩祐治知事が神奈川新聞社のインタビューで明らかにした。タブレット端末はノートパソコンより小さく、場所と時間の制約を受けずに瞬時に利用できるのが特徴。民間企業で採用する事業所も出てきたが、自治体ではまだ少ない。主な活用法は、(1)庁内の会議や打ち合わせは端末を持ち寄って行い、コピーして配る資料はなくし、その作成時間を省力化する(2)保健福祉事務所や県税事務所など出先の職員が現地調査や立ち入り検査などに持参し、膨大な書類を持ち歩かずに現場での解決力を高める−などを想定している。
 知事は昨年1月に「電子化全開宣言」と銘打ち、健康医療や教育分野でのICT(情報通信技術)化とともに、県庁業務の電子化を打ち出した。具体的な手法を内部で検討し、端末を使ったペーパーレス会議も一部で試行してきた。今年2月に県議会に報告する電子化宣言に関する行動計画に端末の導入計画も盛り込む予定。タブレット端末は無線LANから行政情報に接続するが、県民の個人情報など機密性の高い情報を扱っているため、セキュリティーを確保できる新たな方法も検討している。
 知事は「庁内の業務を全部見直し、IT環境を徹底的にリサーチしてきた。タブレット端末の導入で紙使用量の節約だけなく、業務も効率化させる。一気に進めていく」としている。

本記事では,神奈川県における「スマート県庁」の取組方針を紹介.
2013年2月号の『県のたより』では,「最新のICTを活用し、県庁の業務プロセスの抜本的な見直しを行い,大胆な経費削減に取り組んでいきます」*1との方針が示されていた同取組.本記事によると,「全庁的にタブレット端末の導入」する方針の模様.紙としての資料の縮減は想定される一方で,資料の分量もまた縮減されるのか,または,データであるが故に「大量の資料」となり「情報の消化不良状態」*2になることもあるのか.資料自体の分量の変化は要確認.

*1:神奈川県HP(電子県庁・県政運営・県勢県政情報県全体の広報県のたより県のたより2月号目次)「知事からのメッセージ ともに明日へ

*2:森田朗『会議の政治学』(慈学社,2007年)84頁

会議の政治学 (慈学選書)

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