神奈川県は3月から、県庁本庁舎(横浜市中区)を結婚式場として貸し出す事業を始める。
 若手職員の発案で、県庁のイメージアップを図る。自治体庁舎での結婚式は、京都府名古屋市なども行っているが、全国的にも珍しいという。第1号のカップルは県職員から募集し、3月22日、黒岩知事らを前に挙式する予定だ。貸し出されるのは、かつては議場として使われ、現在は入庁式や会議が行われる3階の大会議場。赤いカーペットが敷かれ、格子状に区切られた和風の天井にはシャンデリアが輝く。このほか、来賓用の応接室やロビー、ベイブリッジやみなとみらいを一望できる屋上などで記念撮影を行う。
 第1号のカップルは決まっていないが、24日現在、2組が名乗りを上げているという。当日は知事も出席してお祝いのスピーチをするほか、来庁者が2階席から祝福できるようにすることを検討している。施設使用料は5万7000円で、衣装、ヘアメーク代などは別途かかる。披露宴などの飲食が伴うパーティーはできないが、県総務局総務室は「近くのレストランなどを使ってもらえれば、周辺の振興にもつながる」としている。
 4月以降は、挙式するカップルを一般公募する方針で、希望者はブライダル業者を各自で決めた上で申し込んでもらう。県内の在住、在勤者が主な対象で、土日祝日の閉庁日のみに開催できる。同室の松本博行副主幹は「歴史的建造物なので雰囲気があるし、将来も思い出の場所がなくならないのが売り。式のアイデアがあればできるだけ相談に乗りたい」と話している。
神奈川県庁本庁舎 1928年に完成。鉄筋コンクリート造だが、和風の瓦屋根を持つ。和洋の建築様式をミックスさせた「帝冠様式」の先駆けで、国の登録有形文化財に指定されている。「キングの塔」とも呼ばれ、横浜税関本関庁舎の「クイーンの塔」、横浜開港記念会館の「ジャックの塔」と合わせて「横浜三塔」と称される。

本記事では,神奈川県における庁舎での結婚式開催を紹介.
2009年4月14日付の本備忘録では栃木県の旧本庁舎(昭和館),同年11月3日付の本備忘録では玉野市の庁舎,2010年5月10日付の本備忘録では京都府の旧本本館,2011年11月1日付の本備忘録では名古屋市の本庁舎,2013年7月11日付の本備忘録では目黒区の総合庁舎,2013年10月21日付の本備忘録では駒ケ根市の旧市役所に関して記録した「結婚式庁舎」.本記事では神奈川県の取組方針を紹介.
定期的な「公開」*1を続けてきた同県庁舎.本記事によると同庁舎結婚式を開催されることなり,加えて「第1号のカップルは県職員から募集」される模様.「和と洋のさまざまな趣味の一つとしてたまたま選ばれた」*2定冠式の同庁舎で「たまたま」結婚する二人が挙式するための具体的な開催方法は,公表後,要確認.

*1:神奈川県HP(観光・名産観光・レジャー観光・名所)「「県庁本庁舎」の公開について

*2:藤森照信『日本の近代建築(下)』(岩波書店,1993年)30頁

日本の近代建築〈下 大正・昭和篇〉 (岩波新書)

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