京都市が行った2013年の京都観光総合調査で、「感動があった」と回答した人の割合を示す感動度が外国人観光客で前年より12ポイントも低下し、6割余りにとどまった。市は京都観光に関する情報が広まった結果、実際に京都を訪れた時の驚きが薄まったのが要因の一つとみている。
 調査は市内を訪問中の外国人観光客に面接方式で行い、1680人から回答を得た。「京都観光に感動があったか」との問いに対し、「あった」と回答したのは63・7%で、前年の76・4%から12・7ポイント下がった。一方、「なかった」と答えた割合は前年より9・7ポイント増の32・3%に上った。
 国や地域別の来訪者でみた感動度では、最も低いのが中国の53・8%で前年より5ポイント下がった。次に低いのは欧州と東南アジアの64・8%で13・6〜19・5ポイント下落した。ただ、韓国だけは前年より7・2ポイント上昇して71・6%となった。市は「感動は期待以上のことがあった場合に起きるが、事前に伝わっている情報によって期待値が高くなっているのでは」と分析。「感動度を上げることは観光の質の向上につながるため、高めていけるよう努力していきたい」とする。
 一方、13年の京都市内の外国人宿泊者数は過去最高の113万人だった。前年より29万人(35%)伸びており、東日本大震災で大幅に落ち込んだ11年の52万人から急カーブで回復し、上昇傾向にある。

本記事では,京都市における同市への観光客に対する意識調査の結果を紹介.2011年4月15日付の本備忘録では,2010年の実施した第1回目の同調査結果を記録.本記事では,2013年度実施分を紹介.同調査結果は,同市HPを参照*1
同調査では「観光客数調査」「宿泊客数調査」「観光客動向調査及び日本人観光客満足度等調査」「外国人観光客実態調査」*2の4種類の調査を実施.まず「年間観光客数」では「5,162万人」となり,「年間宿泊客数」は「1,308万人」と「対前年比」では「87万人」「約7%」の「増加」,「外国人宿泊客数」では「113万人」と「対前年比」「29万人」の「約35%」「増加」.なお,「修学旅行生数」は「110万2千人」と「対前年比」では「3,500人」「0.3%の微減」*3であったという.
本記事で紹介されている「外国人観光客」の満足度を確認すると,まず,「大変満足」が「36.7%」 .「満足」が「48.6%」,「やや満足」が「9.7%」と95%は「満足と回答」*4であったことが分かる.一方で,「残念なことがあった」との回答は「11.7%」,「「京都観光に感動があったか」という問い」は「63.7%」*5となる.具体的な「残念なこと」では,前年度調査と同様に「言語,案内,標識」が「1割を超えて最も多い結果」ではあるものの,「昨年と比較」するといずれも「残念度が減少」*6と「残念なこと」は推移する.
観光を通じた「本質的なアウトカム」*7の推移もまた観察できるのだろうか.要確認.

*1:京都市HP(観光・文化・産業観光観光調査平成25年平成25年 京都観光総合調査について)「京都観光総合調査平成25年(2013年)京都市産業観光局

*2:前掲注1・京都市(京都観光総合調査平成25年(2013年))1頁

*3:前掲注1・京都市(京都観光総合調査平成25年(2013年))2頁

*4:前掲注1・京都市(京都観光総合調査平成25年(2013年))10頁

*5:前掲注1・京都市(京都観光総合調査平成25年(2013年))10頁

*6:前掲注1・京都市(京都観光総合調査平成25年(2013年))38頁

*7:西内啓『1億人のための統計解析』(日経BP,2014年)21頁

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