政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は18日、都道府県などが条例で定める規制のあり方について議論した。自治体ごとに規制の中身が異なる点を問題視し、規制会議が統一指針をとりまとめ、各自治体に条例改正の参考にしてもらうことを検討する。
 例えば、理容室の床面積やクリーニングの店舗面積は、都道府県などが独自の条例で定めている。自治体ごとに規制が異なるため、地域間で不公平感が生じ、広域な企業活動の妨げになるとの指摘があった。

本記事では,政府における「地方における規制」の検討状況を紹介.
2015年11月13日付の本備忘録では,「地方版規制改革会議の設置」の検討を記録した「規制改革会議」*1.2016年1月18日に開催された「第56回」*2の同会議では,「地方における規制改革」*3に関して審議.同会の配布資料によると,「ある規制」が「国が一定のルールを定める一方」「具体的な規制内容を地方自治体の条例等に委ねている場合がある」なか,「地方自治体の条例等による規制」が「地域の実情等に照らして必ずしもその理由が明確でないものもあるとの指摘」,「条例等における具体的な規制内容が地方自治体によって異なる場合」「自治体を跨いだ広域的な活動を行っている企業等にとって」「経済効率性の観点から阻害要因になっているものもあるとの指摘がある」として,「条例等に基づく地方の規制」を「地域のニーズに即した見直しを進める」ため,上記会議の設置とともに,「地方における規制改革を推進するための国としての対応」を「更に検討する必要がある」*4との審議課題が提示されている.
「具体的な事例」としては,「食品衛生法に基づく」「移動販売」の「営業許可」,「臨時の飲食店営業」のように「営業とは認められないとして食品衛生法上の許可を必要としない場合の基準」*5,「理容師法・美容師法に基づ」く「条例で定める衛生上必要な措置」,「理・美容所の床面積の基準」,「クリーニング業法に基づ」く「面積基準の規定」,「旅館業法に基づ」く「構造設備基準」としての「客室一室の床面 積や玄関帳場の広さ等の規定」,「公衆浴場法」に基づく「一定年齢以上の男女を混浴させない旨の規定」,「露天風呂を設ける場合」の「屋外には洗い場を設けない旨の規定」*6,「学校教育法」に基づく「都道府県が定める私立専修学校の設置認可基準」としての「学校法人」の有無,「競争入札参加資格の要件」における「一定の営業年数」の有無及び「手続が煩雑化」*7が例示されている.
本記事によると,同回の同会議では「統一指針をとりまとめ,各自治体に条例改正の参考にしてもらう」方針が検討された模様.実際に,自治体の条例事項に対しての具体的な「誘導」*8の方法は,同会議の議事録公開後,要確認.

*1:内閣府HP(活動・白書等審議会・懇談会等規制改革会議情報)「規制改革会議

*2:内閣府HP(活動・白書等審議会・懇談会等規制改革会議情報規制改革会議)「規制改革会議(平成28年1月18日) 議事次第

*3:内閣府HP(活動・白書等審議会・懇談会等規制改革会議情報規制改革会議規制改革会議(平成28年1月18日) 議事次第)「資料1 地方における規制改革について<未定稿>

*4:前掲注2・内閣府(資料1 地方における規制改革について<未定稿>)1頁

*5:前掲注2・内閣府(資料1 地方における規制改革について<未定稿>)1頁

*6:前掲注2・内閣府(資料1 地方における規制改革について<未定稿>)2頁

*7:前掲注2・内閣府(資料1 地方における規制改革について<未定稿>)3頁

*8:北村喜宣『環境法』(有斐閣,2015年)68頁

環境法 (有斐閣ストゥディア)

環境法 (有斐閣ストゥディア)