飼い主はいないものの、地域住民が共同で世話をしている「地域猫」を適正に管理しようと、千葉県浦安市は今月、スマートフォン用の無料アプリの運用を始めた。
 猫の写真や生息場所、不妊・去勢手術の有無などの個体情報が登録されており、手術を進めることで繁殖を抑えるとともに、市民に地域猫について知ってもらうのが狙いだ。市によると、全国初の取り組みという。
 市環境衛生課によると、飼い犬は法律で自治体への届け出が義務づけられているが、猫は不要という。実数を把握できない上、どの猫が野良猫か区別がつかず、「庭に排せつする」「鳴き声がうるさい」といった苦情も相次いだことから、市は2008年、「地域猫愛護員制度」を創設した。
 ボランティアの愛護員が飼い主がいないと判断した猫を「地域猫」として台帳に登録。排せつ物の清掃や食べ残した餌の片づけを行うほか、不妊・去勢手術を施して一代限りで世話をする制度で、11年度からは市が手術代を全額補助し、これまでに約860匹に手術が行われた。今年度の愛護員は164人と、制度開始当初の40人から約4倍に増えた。
 市は今回、さらに効率的に管理しようと、40万円を投じて無料アプリ「地域ねこ情報アプリ ニャンだぁ!らんど」を開発した。愛護員が地域猫の写真や名前、手術の有無などの情報をアプリに登録し、誰でも閲覧できるようにすることで、活動に携わらない住民も周辺に生息する地域猫の存在を知るきっかけを作る。
 現在、登録されている地域猫は約500匹。市は手術をしていない地域猫に対しては、愛護員に不妊・去勢手術を受けさせることを求める。将来的には地域猫の飼い主探しにつなげたり、飼い猫の登録も促したりすることで、市内の猫の生息数を把握したい考えだ。
 同課の担当者は「好き嫌いの問題ではなく、地域猫との共生を地域全体の課題として捉えてもらえたら」としている。アプリは「アップルストア」や「グーグルプレイ」からダウンロードできる。問い合わせは同課(047・712・6489)。

本記事では,浦安市における「地域猫」の「飼育・管理」の取組を紹介.
同市では,同市内に「生息する」「飼い主のいない猫」である「地域猫」を「適正に飼育・管理する」ことを目的に,「地域猫活動」を「サポートする」「スマートフォン対応」「アプリ」,「地域ねこ情報アプリ“ニャンだぁ!らんど”」の「運用を」,2016年「11月1日」より「開始」*1.同アプリでは「市内に生息する飼い主のいない猫の写真や生息地域,不妊去勢手術の有無」等を「検索できる」とともに,「猫の習性や適正な飼い方,よくある質問,関連法令を掲載」*2
「猫は愛護動物」として「野良猫であっても捕獲する根拠がな」く「住民の方で自己防衛」*3するしかないとされるなか,同アプリを通じた「地域ごとの多様性」*4の把握状況は,要観察.

*1:浦安市HP(市政情報広報プレスリリース)「「地域ねこ情報アプリ“ニャンだぁ!らんど”」の運用について(平成28年10月21日)

*2:前掲注1・浦安市(「地域ねこ情報アプリ“ニャンだぁ!らんど”」)

*3:浦安市HP(届け出・税・生活環境・生きものペット)「飼い猫・野良猫について

*4:打越綾子『日本の動物政策』(ナカニシヤ出版,2016年)96頁

日本の動物政策

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