市川市が主催した初の「猫の譲渡会」が二日、市役所・市川南仮設庁舎で開かれた。行政が猫の飼い主探しに乗りだすのは県内でも珍しく、参加者たちは「猫の殺処分が少しでも減ってくれれば」と飼い主が決まるよう願っていた。同市では不要となったペット用のケージやトイレなどを募る、全国でも初めてという「ペットアイテムバンク」が先ごろ設けられている。
 地域猫などが社会問題化する中、譲渡会は昨年、県動物愛護推進員が保護している猫と飼育を希望する市民とをつなげようと、初めて開かれた。今年は事前に応募した十組の家族らが、三十頭の猫と「顔合わせ」をした。
 猫を持ち寄ったのは、野良猫を引き取っている市内の同推進員や地域猫活動団体、個人。それぞれの猫には各種情報を書き込んだ「情報シート」が添えられ、不妊手術やワクチン接種の状況のほか、「どの子とも仲良くできます」「猫初心者さんでも大丈夫な子猫です」といった留意事項などが紹介された。
 この譲渡会では、市川市ペット市民ボランティアが運営などに協力。地域猫活動団体のメンバーは「団体や個人で譲渡会を開くのは難しく、行政が主催してくれるのはありがたい」と感謝していた。
 飼育希望者は後日、猫を数日〜数週間、試験的に飼う「トライアル」期間を経て、正式に引き渡される。ペットアイテムバンクに寄せられたケージや首輪などは、飼い主となる希望者に無償譲渡される。
 会場では飼い主となる人向けの講演会も開かれた。講師は県動物愛護センター東葛飾支所(柏市)の篠田英雄・支所長。篠田さんは「最期まで愛情を持って飼ってほしい」と力をこめながら、屋内での飼育や避妊・去勢の重要性などを説いた。 (保母哲)

本記事では,市川市における「猫の譲渡会」*1開催の取組を紹介。
同市では,「猫の譲渡者」と「里親希望者」の「出会いの場」として同会を,2018年「12月2日」に「開催」*2。29匹の「譲渡希望の猫」*3が参加したなかで,本記事によると里親希望となる「10組の家族」が「参加」した模様。同取組による猫と里親希望者との「結合」*4の結果は,要観察。

*1:市川市HP(くらしの情報相談ペット・動物 )「「猫の譲渡会」を開催します

*2:前掲注1・市川市(「猫の譲渡会」を開催します)

*3:市川市HP(くらしの情報相談ペット・動物 「猫の譲渡会」を開催します)「譲渡希望の猫一覧

*4:金井利之『行政学講義 日本官僚制を解剖する』(筑摩書房,2018年)118頁

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