兵庫県篠山市は1日午前、同市役所で酒井隆明市長らが出席して記者会見を開き、市名を「丹波篠山市」に変更する考えを明らかにした。ただ、同市内では市名変更の是非などを問うために、住民投票の実施を求める動きがあり、同市議会へ条例案を提出する時期については、今後決める方針。
 酒井市長は会見で、市名変更による経済波及効果やメリット、デメリットについて、住民に説明を重ねてきたとし、「多くの人に『丹波篠山』ブランドを市名とする方が良いと理解していただいている」と判断の理由を説明した。
 篠山市の市名を巡っては、2004年に旧氷上郡6町が合併して丹波市が誕生したことなどを受け、「『丹波』がどこを指すのか不明瞭になり、混乱を招いている」と変更を求める声が上がっていた。「篠山市」の維持を求める声もあり、議論が続いてきた。
 一方、同市内では住民投票の実施を目指す市民団体「市名の名付け親になろう会」が、必要な数の署名を集める準備を進めている。市住民投票条例によると、有権者数の5分の1となる約7100人の署名で投票の実施が決まる。(尾藤央一)

本記事では、篠山市における市名変更の方針を紹介。
2018年8月1日に、同市では「市の名称」を「丹波篠山市」へと「変更する方針」*1を公示。「市名変更の時期」は「新元号に移行する」「2019年」「5月1日と合わせること」、「ブランド振興」では「「丹波篠山」という資源を活かした地域ブランド戦略、市の認知度アップにむけた取り組みが重要」として「計画的、戦略的に取り組む」こと、「JR駅名、インターチェンジ名」は「に改称するよう取り組んでいく」こと、「市民生活のうえで」「市名変更に伴い新たに必要となる手続きはほとんど無いこと」の「情報提供が不十分である」として「十分な広報周知によって市民の不安の解消に努める」こと、「対外的にPRの必要な事業や施設」は「丹波篠山」と「統一する」ものの「それ以外」は「従来どおり」「篠山」「のままでよい」*2とするとされている。加えて「篠山市住民投票条例」に基づく「住民投票を求める署名活動」に関しては「必要な署名が集まるならば住民投票を実施」し、「集まらない時や」「署名活動が記者発表のとおり速やかに開始されない」場合には「直ちに市議会 へ提案をする」*3こととなる。市名変更に関する「住民の投票」*4の動向は、要観察。

*1:篠山市HP(市政情報創造都市課)「「丹波篠山市」への市名変更にかかる方針ついて

*2:篠山市HP(市政情報創造都市課「丹波篠山市」への市名変更にかかる方針ついて)「市名変更についての最終報告」(平成30年8月1日、篠山市)6頁

*3:前掲注1・篠山市(市名変更についての最終報告)7頁

*4:上神貴佳、三浦まり編著『日本政治の第一歩』(有斐閣、2018年)200頁

日本政治の第一歩 (有斐閣ストゥディア)

日本政治の第一歩 (有斐閣ストゥディア)