横浜市は十三日、データ送信機能付きの歩数計を付けて外出を楽しむ「よこはまウォーキングポイント事業」の参加者を対象にした調査で、「メタボリック症候群が解消したと診断された」との回答が11%に上ったと発表した。
 事業は二〇一四年十一月にスタート。市在住の希望者らに、送料のみで歩数計を配った。商店街や公共施設など市内約千カ所に設置した読み取り機に歩数計を載せると歩数に応じてポイントがたまり、商品券などが当たる抽選に参加できる。参加者は先月末時点で約二十八万五千人。
 調査では「片脚立ちで靴下がはけるようになった」人が13%いたほか、「階段を上るのに手すりが不要になった」という回答も12%あった。また、44%が「読み取り機の設置場所に行く機会が増えた」と答え、外出を促す効果も見られた。
 調査は五〜七月、六千人に郵送で実施し、約三千五百人が回答。回答者の72%が六十歳以上だった。
 市は、来年四月にスマートフォンで事業に参加できる歩数計アプリをリリース予定。市は「より幅広い層に働き掛け、健康寿命が延びるようにしたい」としている。 (梅野光春)

本記事では、横浜市における健康づくりの取組を紹介。
同市では、「18歳以上」の同「市民」を対象に「歩数計を持って」「楽しみながら健康づくりに取り組んでいただく事業」*1を実施。具体的には「市内約1,000か所」に「リーダー」を「設置」し、同リーダーに「歩数計をのせる」ことで「歩数に応じたポイントが付与」され「ポイントに応じて抽選で景品が当た」*2る。本記事でも紹介された通り『平成29年度利用状況調査報告書』が公表され、同報告書によると「72.1%」が「ほぼ毎日使って」いるものの「1日平均歩数は、男女とも昨年度より減少」、ただし「参加前は運動をしていなかった人やデータ送信していない人も含め」「61.3%の人の一日の歩数」は「増えて」*3いる。そして、成果としては「参加前の健診」では「メタボリックシンドロームと診断された」人のうち「 11.0%が」「 参加後の健診」で「メタボリックシンドロームでなくなった」と「回答」し、さらに「参加前は健康ではなかった」と「回答した人のうち」「41.1%が」「参加後」には「健康である」と「感じ」ており、「全体で参加者の 91.2%が「健康である」と感じ」*4たと報告されている。
ポイントを貯めることで「「うれしい」「楽しい」「好き」という直感的な感情」*5にもつながる同取組。今後の利用者の状況も要観察。

*1:横浜市HP(市の組織健康福祉局健康・安全)「よこはまウォーキングポイント

*2:前掲注1・横浜市(よこはまウォーキングポイント)

*3:横浜市HP(市の組織健康福祉局健康・安全よこはま健康スタイル 〜 YOKOHAMA ENJOY WALKING 〜よこはまウォーキングポイント)「平成29年度「よこはまウォーキングポイント」利用状況調査報告書がまとまりました」(平成29年12月13日、健康福祉局保健事業課 凸版印刷株式会社 オムロンヘルスケア株式会社)3頁

*4:前掲注3・横浜市(平成29年度「よこはまウォーキングポイント」利用状況調査報告書がまとまりました)3頁

*5:NHKスペシャル取材班『健康格差』(講談社、2017年)144頁