• 清水唯一朗「明治日本の官僚リクルートメント その制度,運用,実態」慶應義塾大学法学研究会編『法学研究』第82巻第2号,2009年2月,193−219頁.

清水唯一朗先生よりご恵与賜りました.ありがとうございました.
「地縁,血縁,人脈に依拠する情実任用」から「試験任用制度の導入」により,我が国の「近代官僚制を構築するための人事リクルートメントの仕組み」(216頁)の確立過程を分析された本稿を拝読させていただき,大変勉強をさせていただきました.例えば,試補試験制度において,その窓口が「官僚」となり「実際の採用に当たっていた」(203頁)との分析は,現代の調達形態が,意外にもその制度形成期に既に現れていたことを本稿を通じて学び,大変驚きました.また,文官任用令を通じて受験された方々の実相は,受験をされたご本人達は必死ではあったかと思われますが,時にユーモラスでもあり,楽しく拝読させていただきました.明治期における任用制度とその運用を分析された本稿を拝読し,公務員制度に限らず各種改革論議に絆されてでしょうか,下名個人もまたその観察及び研究が限定されがちな行政研究において,その淵源を探る研究の重要性を痛感するとともに,暫く手付かずのままでありました,東京(都/市・府)における任用制度に関する研究を再開しなければという,強い刺激を頂きました.心より御礼を申し上げます.誠にありがとうございました.