北九州市は11月、指定ごみ袋(全4種類)の表面に帯状の「エンボス(凹凸)加工」を施し、視覚障害者が触って袋の種類を判別しやすいようにした改良型を導入する。
■11月導入 「リサイクルに役立てて」
 指定ごみ袋は現在、家庭ごみ用1種類と資源ごみ用の3種類。市は3年前、視覚障害者にも判別できるよう、ごみ袋の包装袋にパンチ穴を開け、袋の種類が分かるようにしていたが、障害者団体から「開封して中身を出すと区別ができない」との声が出ていた。
 改良型は袋の片面に、幅約1センチの帯状のエンボス加工を縦に入れた。家庭ごみ用は加工なしで、ペットボトル用は1本、缶・瓶用は2本、プラスチック製容器包装用は3本。市によると、指定ごみ袋のエンボス加工は、田川市山口県下関市などで例があるという。
 市によると、市内の重度視覚障害者は2595人(3月末現在)。改良型は11月から、市内の7区役所と3障害者福祉施設で先行販売。一般の販売店は、旧型の在庫がなくなる12月下旬以降の販売になる予定。市環境局は「利便性向上とともに、障害者がリサイクルに取り組む役に立ってほしい」と話している。

同記事では,北九州市における家庭ごみ指定袋に関する取組について紹介.これまでの同袋については,同市HPを参照*1.各個袋では,視角的に識別ができるように,「家庭ごみ」 袋の色は「青」,資源化物では「かん・びん」が「茶」色,「ペットボトル」が「オレンジ」色,「プラスチック製容器包装」が「緑」色に分別される「デフォルトオプション」*2となっている.
一方で,視覚障がい者への配慮として,想起すれば,個袋への処理を行うことは適当な判断とも考えられそうではあるものの,設計側のいわば「利用可能性ヒューリスティック」(43頁)からなのだろうか,同市ではこれまでは,「「ペットボトル」用が穴1個」,「「かん・びん」用が穴2個」,「「プラスチック製容器包装」用が穴3個」というように,「パンチ穴を外袋の下部に開け」ることで「購入時に識別できるよう,外袋に表示」*3することで対応されてきた,という.ただ,それでは,同記事にもあるように,外袋の開封後は,個袋がどの指定ごみ袋であるかの分別がつかなくなる虞が高いことから,個袋へ「エンボス加工」を行う方針とのこと.指定ごみ袋を採用されている自治体うちでは,エンボス加工を始めとした処理の状況はどのような状況にあるのだろうか,要確認.

*1:北九州市HP(組織環境局環境首都政策課家庭ごみ見直し見直しの概要)「見直しの内容

*2:リチャード・セイラー,キャス・サンスティーン『実践行動経済学』(日経BP社,2009年)141頁

実践 行動経済学

実践 行動経済学

*3:北九州市HP(組織環境局業務課家庭ごみの出し方)「視覚障害のある方へ