三重県松阪市は5日、2人目の副市長を全国公募すると発表した。
 豊かな発想力や行動力があり、熱意を持って行政運営に取り組んでもらえる人材を民間から登用するのが狙いで、行政経験の有無は問わないという。任期は4年間で年収は約960万円。今月12日から受け付ける。山中光茂市長は、「行政改革や、将来のまちづくり構想などについて、重点的に担ってもらう」と話している。
 日本国籍を持つ25歳以上(4月1日現在)の男女が対象で、「これまでの経験を生かして副市長として松阪市に貢献できること」(5000字以内)と「女性」「男性」(2000字以内)をテーマにした各論文を提出する。締め切りは3月5日。問い合わせは同市総務課(0598・53・4321)。(松村裕子)
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本記事では,松阪市における副市長候補者の公募に関する取組について紹介.同市における同公募の詳細については,同市HPを参照*1
同公募要件を拝読すると,まずは,地方自治法第167条の規定内容を紹介された後,同市としての募集要件を次のように示されている.つまり,「特に,松阪市の未来を切り拓くため,下記の役割を担」う職として公募を行い,具体的には,「①次期行財政改革の推進役としての役割」,「②住民協議会の全市域への早期設立に向けた牽引役としての役割」,「③「まちづくりビジョン」の実現に向けた推進役としての役割」の3種類を想定している模様.また,同職の処遇に関しては,「給与」は「給料月額 628,800円」と「期末手当」が「年間2.225月分」支給とある.ただし,同額に関しては,「条例上は,「給料月額786,000円,期末手当4.45月分」と定められて」いるものの,「現在,給料月額は100分の20,期末手当割合は2分の1の減額措置を実施していることから,就任時から平成25年2月5日までの間における支給」は「上記」額「のとおり」となるとも言及.当該処遇に関しては,「会社や仕事に関してプラスと考えられることだけでなく,マイナス面に関しても求職者に提供する」「Realistic Job Preview*2の取組の一つとも整理ができそうではあるものの,同額に関しては,「任期」内では改定の蓋然性は想定されていない,ということなのだろうか.
 同公募の「応募期間」は,「平成22年1月12日(火)から平成22年3月5日(金)まで」の53日間.「応募資格」は,「松阪市が,現場の中で市民ひとりひとりの幸せや痛みに触れながら,より一層こころのこもったあたたかい市政を実現するため,深い見識,豊かな発想力,行動力と熱意をもって取り組んでいただける方」として,「市民生活に直面する現場に入り市民の生の声を聞き,市政に反映できる方」,「コスト意識をもって行財政改革に取り組んでいただける方」,「対外的な交渉能力を発揮できる方」とやや概括的な3種類の要件.ただし,「日本国籍を有し」,加えて「平成22年4月1日時点で満25歳以上の方(性別,学歴等は不問)」との年齢制限については,設けられている.
「選考方法等」及びスケジュールは,「第1次選考」では「申込書及び課題論文により選考」され,その「選考結果は応募者全員に4月上旬に文書にて通知」.次いで,「第2次選考」として「4月下旬に第1次選考合格者による集団面接,集団討論等」が行われ,同選考が「市民公開」により実施されることは特徴的.そして,「最終選考」を「5月上旬に第2次選考合格者による個人面接により副市長候補者を決定」され,「5月中旬に文書にて通知」を予定としている.「最終選考合格者」は,2010年1月5日付の毎日新聞では,「今年6月ごろの就任を予定」*3と紹介されているものの,議会同意職であるため,「平成22年松阪市議会に選任同意議案を提出し,議決後に就任していただく予定」と,必ずしも,明確な時期は示されていない.
2009年6月3日付同年7月24日付同年8月22日付の各本備忘録にて紹介した豊岡市による副市長候補者の公募の取組,2009年8月8日付2同年9月9日付同年10月16日付の各本備忘録にて紹介した瀬戸内市による副市長・教育長候補者への公募の取組と同様に,2009年9月11日付の本備忘録で制度的な観点からの類型化を図ってみた各種職に対する庁内外部からの登用制度の形態からすれば,「常勤・同意職・総務系・任期付」としての同職候補者の公募の取組.2008年12月28日付以来の断続的観察課題,「自治体人事管理の「半開き(semi-open system)化仮説」の対象は,その増加の傾向性を観察できるのだろうか.興味深い.